経済

2016年6月25日 (土)

BRexitは後世に語り継がれる大事件

まさかの英国EU離脱でした。EU残留を呼びかけた下院議員の死をもってしても止められませんでした。それほど、英国民には移民に対する不満が渦巻いていたのです。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kobayashiginko/20160624-00059221/

23日に英国で行われた欧州連合(EU)を離脱するか、残留かについての国民投票で、離脱派が約1740万票(51.9%)を集めて勝利した。残留派は約1600万票(48.1%)だった。

欧州は、2015年9月にドイツのメルケル首相がシリア難民の受け入れを表明してから混沌の坩堝です。
「難民」をドイツ一国で対応しきれなくなってEUに負担を分散しようとして各国の反発を招き、ハンガリーやマケドニアのように国境を封鎖する国も現れました。

ドイツに次ぐ経済規模を誇る英国も移民達の標的であり不満が多いです。
移民により、従来の国民の職が奪われる、自分達の社会保障費が移民に回される、治安が悪化する、という問題は労働者階級にとっては切実です。
そう言えば、キャメロン首相も移民支援を表明していました。英国民から恨まれて当然か。

しかし、EU離脱によって移民に悩まされることが無くなるとは言え、EU離脱のデメリットも大きいです。
最も大きいのは関税です。EU離脱によって、従来はEU圏内に関税無しで輸出できていたものに関税が掛かり、自国製品の競争力が低下するのです。

移民問題と経済のどちらを優先するのか。非常に難しい問題ですが、英国民は移民の方がより大きな問題と認識したわけです。
それだけで言えば英国の今回の結果は理解出来ますが、問題は、その前に英国がEUに対し、移民への社会福祉の制限などを盛り込んだ妥協案を飲ませていたことです。
そんな協定を結んでおいてEU離脱では、EU各国から「英国、お前ふざけるな」と非難されるのは当然です。
EU離脱のための国民投票を行う国が続出して、最悪はEU解体まであり得ます。

さて、為替市場も大変なことになりました。

英ポンド/円相場は、終値18円安、1日の値幅は26円となりました。

Rate

外為ドットコムは、予め10%程度の変動は予告していましたが、「より悲観的なシナリオ」に当てはまってしまいました。
ドル円のスプレッドがクローズ時点で22セント(通常0.3)とか、笑うしかありません。

Spread


来週には、日本などが緊急声明を発表して火消しを図り、市場は落ち着きを取り戻すと予想します。
つい先週末は、日銀が追加緩和を行わなかったことに対して失望の円高が起こっていたものですが、GRexitを受けてカードを切る方が遥かに有効です。
消費税増税延期を含め、日本政府・日銀はリーマンショック級の本事件を予想していたのでしょうか??

来週は事態収拾に向けた動きに注目です。

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2016年5月 8日 (日)

投機的な動きは日本円から豪ドルへ

大型連休中は為替相場が円高に進みました。アベノミクスや日銀のマイナス金利の失敗を吹聴する声が大きいですが、経済は海外要因の影響の方が大きいです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160508-00000518-san-bus_all

【上海=河崎真澄】中国税関総署が8日発表した4月の貿易統計で、輸出が1727億6000万ドル(約19兆円)と前年同月比1.8%のマイナスとなった。3月は季節要因もあって9カ月ぶりに前年の水準を上回ったが、再び前年を割り込んだ。輸入は10.9%減の1272億ドルと、3月に比べ落ち込み幅が拡大した。

連休中に円高ドル安が進み、麻生財務相が

「一方的かつ急激に偏った投機的動きがさらに強まっているということを憂慮している」

と発言して牽制しました。

大型連休やお盆や年末年始に急激な円高が来ることは今までもよくあることです。
今年は約6円の円高で一時105円台を付けました。
さらに、毎月第1金曜日のアメリカの雇用統計というイベントもありました。すなわち、先週一杯がドル円相場の動きの加速しやすい時期でした。
アメリカの雇用統計は弱めで当初は円高となりましたが、先週終値は107円を回復しました。ドル円相場はこれで一息ついたと思います。

一方、オーストラリアが政策金利引き下げを行い、豪ドルが80円を割り込みました。
さらに今日、冒頭のニュースです。休日に発表するところがあざといです。

中国の経済成長率は大きく盛った数字だと言われていますが、貿易統計は相手国もいるので誤魔化しは効きません。
輸出が横ばいと言うことは、中国にとっての海外要因に大きな変化は無いけれど、輸入の落ち込みは中国国内景気の悪化を示します。輸入相手国にとっては輸出が減るのだから、それら国々の景気も遅れて落ち込んでいく見通しです。

オーストラリアは2015年9月の党首選挙で親中派のターンブル氏が首相となり、中国との関係を強めています。
潜水艦受注で日本が敗れ、米海兵隊基地近くの港が中国企業に長期貸与されたりと日米に対して挑戦的です。

そんなところに中国景気後退のニュースです。
人民元は投機筋の売り浴びせに遭うはずですが、当局の買い支えによって撃退される可能性が高く、狙われづらいです。
一方で中国との関係が深いオーストラリアは経済規模が小さいので、彼等の格好の標的です。

週明けは豪ドル下落と予想、手元のP&Fでは76円がターゲットと出ています。
どうなるでしょうか。

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2016年3月18日 (金)

消費増税は取り消しでも良いくらいだが

安倍首相、景気動向によっては2017年4月からの消費税10%への増税を先送りを検討。常識的には当然ですが、財務省との関係上、簡単に言い切ることはできないのです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160318-00050000-yom-pol

安倍首相は、2017年4月からの消費税率10%への引き上げについて、景気の足踏み状態が続いた場合には先送りする方向で検討を始めた。

こんなニュースが出るくらいだから、少なくとも増税延期は安倍首相の中で固まっているのでしょう。
アベノミクスは失敗との見方が強いですが、所詮は外需頼みです。

中国の2015年の貿易統計の輸入額は前年に比べて14%も減っています。貿易統計だけは相手国もあるので誤魔化しの利かない信頼性の高い指標です。
欧州中央銀行(ECB)は先週、マイナス金利拡大と金融緩和の拡大を発表しました。
アメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)は今回の利上げを見送り、年内の利上げ回数は2回と予想し、去年末の4回から下方修正です。

そんな中での消費税増税は自殺行為です。
消費税を導入・上げた内閣は倒れると言われますが、消費税導入時も、3%→5%増税時も、当初の税収は上がっても、2・3年で大きく減少してきました。すなわち景気の悪化が最大の要因です。
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/outin-fc33.html 記事のグラフ参照
8%への増税が2014年4月ですから、2度の前例に倣えば、遅くも来年には税収の大幅減となります。そのタイミングで更に増税というのは、日本経済の墜落を意味します。
これが財務省的には、景気に左右されない税収が得られるというメリットになるから困ったものです。

その財務省に立ち向かえるか安倍政権。
消費税増税の取り消しが出来れば天晴れですが、財務省は面子にかけて阻止するでしょう。
延期が落としどころです。
安倍政権は、これを手土産に衆議院を解散してダブル選挙に持ち込む。
財務省にとっても、景気悪化による所得税・法人税の減収は望みません。面子を保ちながら税収を保ちます。

解散が視野に入れば、他の手土産、拉致問題や北方領土問題で進捗があるかどうかです。
北朝鮮は今日もミサイル発射と平壌運転で期待薄です。
一方ロシアは、5月連休で日露首脳会談という話が取り沙汰されています。経済援助や投資と引き換えに北方領土の返還が成るかどうか。鈴木宗男氏の娘の鈴木貴子衆議院議員が民主党から除籍になったことが伏線かもしれません。
翻って反政府側からは文春砲炸裂となるか。

もはや、衆参同日選挙は決定的です。

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2016年2月 6日 (土)

マイナス金利は失敗だった

先週末の突然の黒田日銀総裁のマイナス金利発表は、その場ではインパクトが大きかったものの、金回りの改善よりも負の側面の方が大きいようで、再び円高株安に向かっています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160205-00000122-mai-brf

マイナス金利の導入を日銀が決めてから5日で1週間が過ぎた。決定直後は株高・円安が進んだものの、5日の東京株式市場は日経平均株価が1万7000円台を割り込み、外国為替市場でも円高が進行。日銀の決定前の水準に逆戻りし、「マイナス金利」効果は早くも消えた形だ。一方、3メガバンクがこの日、定期預金金利の引き下げを決めるなど、個人の資産運用に見直しを迫る動きは加速している。

タダ同然の預金金利がこれ以上引き下げられても個人にとっては大した問題ではないですが、市中銀行への負担が大きく、個人の預金者にも間接的に波及します。

市中銀行にとっては、日銀にお金を預けているとマイナス金利となるので、企業などに対して積極的に貸し出しを行うことになります。これ自体は金回りを良くなるので好ましいですが、貸し出しの審査が緩くなり、焦げ付きの割合が増えることになります。
また、マイナス金利によって日本国債の利回りが低下し、これを保有する銀行の収益は悪化します。

銀行が苦しくなれば、個人の預金へのコストの転嫁が進みます。
預金金利にマイナスは不可能ですが、口座維持管理料金の設定や、引き出し手数料の増大という形で実質的なマイナス金利が降りかかってきます。

そんな将来が見えてきてしまったので、マイナス金利発表後の株高・円安の噴き上げも帳消しどころか「むしろマイ」になっています。

何でそんなことになったのか。

経済・金融分野は内閣・財務省・日銀が一体でないと有効な政策が打ち出せません。
本来はアベノミクスによる税収増を投資や給付金に使えば金回りは良くなり、緩やかなインフレも達成出来るはずです。
しかし本件は日銀の独走です。
協力すべき内閣と財務省が甘利大臣辞任により不仲となったので、日銀単独でやるしかない、という状況でした。

通貨安(→輸出増と輸入品値上げ)によるインフレ狙いで、日銀の権限として金融緩和と国債買い取りを既に行った後ではゼロ金利からマイナス金利に下げるより無かったのでしょう。

世界経済が不安定な中で、日米がしっかりしなくては大恐慌が起こってしまいます。
日本の脱落を喜ぶのはアメリカ、一人勝ちを狙っているのでしょうか?? TPP関連で軽く嫌がらせをしてみた、程度であることを祈っています。

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2016年1月30日 (土)

甘利OUT、伸晃INの真意

TPPで大活躍の甘利氏が大臣辞任となりました。彼を煙たがる勢力はアメリカと、もう一つは財務省です。後任人事が露骨すぎます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160130-00050008-yom-pol

安倍内閣の看板政策「アベノミクス」の司令塔を担い、政権の要石でもあった甘利明・前経済再生相が去った。  政府・与党内では、経済政策をめぐる閣内のバランスの変化や、不協和音を心配する声も出ている。
 「石原さんは(経済財政運営に関して)あまり得意ではないかもしれないが、頑張ってもらえることを期待している」

麻生氏がこれほど言うのだから石原伸晃氏は余程の経済音痴なのでしょう。
失言も多いです。というか揚げ足を取られやすいです。
つまり、誰かに操って守ってもらわないと大臣は務まらない人物です。
財務省にとっては誠に都合の良い人選です。用意も速すぎるので、この結論が最初から決まっていたと思えます。

目下の財政状況から考えてみます。

Photo_2
ガベージニュースより

消費税は3%は1989年、5%は1997年、8%は2014年です。前2者は導入年度に税収は増加するものの、2年以内に減少に転じています。2012年度の税収は43.9兆円、政権交代して2013年度は47.0兆円、消費税増税後の2014年度には54.0兆円に増大しました。2015年度は予想以上の56兆円台の見込み、2016年度は57.6兆円と予想されています。
ただし消費税増税によって6.3兆円は自動的に増えるので、その分は差し引かなければいけません。
外的要因もあり大袈裟かも知れませんが、アベノミクスによって税収は3年で10兆円増やしているので、安倍政権は財務省に大きく貢献しています。
それでも財務省が安倍政権を叩くのは、民意を盾に安倍政権が逆らうのを防ぐ狙いがあると考えます。消費税増税でも、内閣が財務省との約束を反故にしたという前例を作らせない、うちの方が上なのだと改めて示すのです。

巷では7月にダブル選挙が取り沙汰されています。中には、解散の大義に「消費税増税反対」を掲げると予想する人もいます。
前回の解散総選挙のように消費税増税を「延期」するだけなら許せたが、取り消しを許したら財務省と内閣の優劣関係の逆転に繋がると、彼等は気を揉むでしょう。

自民党は憲法改正のために単独三分の二を目指しますが、財務省にとっては関係の無いことです。
財務省にとっては、民主党共産党への政権交代はダメだが安倍政権が勝ち過ぎても困る。そんな微妙な匙加減が今回の文春リークだったと考えます。文春はそういう御用週刊誌だったか。

そうすると、本件は今後それほど延焼しないと考えます。安倍政権が選挙に負けたら税収が減るからです。

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2016年1月 9日 (土)

デフレ克服には

衆議院予算委員会の論戦で、消費者物価指数が話題になりました。一般にデフレは悪とされていますが、その理由を考えれば、答えは見えてきます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160108-00000550-san-pol

安倍晋三首相は8日の衆院予算委員会で、アベノミクスを批判した民主党の枝野幸男幹事長を「全く本質を見ていない」と挑発した。

 枝野氏は、生鮮食品を除く消費者物価指数が横ばいであることを指摘し、首相に「もはやデフレではない、と胸を張っているのはどういうことか」と質問した。

 首相は「枝野議員はまったく本質を見ていない。原油価格が大幅に下落している。これを除いてみれば、民主党政権時はマイナス0・7%、安倍政権は0・8%で、マイナスからプラスになっている。本質をよく見て質問してほしい」と反論した。

 これに対し、枝野氏は「都合がいいところだけ言っている」と再反論した。

「都合が良いところ」は、安倍氏と枝野氏のどちらも主張していますが、どちらにも理があり、あとは政策実行力の問題です。

消費者物価指数(CPI)には、総合、生鮮食品を除く総合(コアCPI)、食料及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)があります。
総務相統計局のサイトです http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htm
2014年に矢鱈高いのは消費税増税の影響です。
去年後半がどうだったかというと、総合・コアCPIが横ばいで、コアコアCPIは上昇しています。

枝野氏の指摘はコアCPIが横ばいなのにデフレでないと言うのか、ということで、それはそれで正しいです。
一方、安倍首相は、エネルギーを除けば(コアコアCPI)インフレだ、と主張しており、これも正しいです。

両者で一致するのは、「デフレは悪」です。
何故デフレが悪かと言えば、人々の購買意欲が減退し、金回りが悪くなるからです。
今あるお金の価値が将来上がるなら、人々は出来るだけ現金のまま取っておきたくなります。そうすると、買わない→企業は作らない→賃下げリストラ→貧困→買わない→(以下略)の「デフレスパイラル」に陥ります。
逆に適度なインフレは、上の逆回転により人々は豊かになります。アベノミクスはこれを目指してきました。

安倍首相の主張は、エネルギー安は海外要因であり日本国の政策の力の及ぶことではない。出来る範囲ではコアコアCPIが示すように実績が出ている、というものです。
しかし総合指数が上がらないことには、デフレスパイラルから脱出できないことも確かで、枝野氏の指摘も正しいです。

ではどうしたら良いのか。
それは内需拡大。そのためには一層の金融緩和と給付金です。原油値下がりによりエネルギー輸入額は年10兆円も節約出来ており、原資はあります。
そして、それを妨げる消費税増税の延期または中止です。

おそらく今年の世界経済は激動です。
少なくともこのタイミングでの消費税増税は見送るべきです。
もしかしたら、安倍首相はこれを争点に衆参ダブル選挙を仕掛けるかもしれません。
郵政選挙のような雪崩現象が起こるか。無理と思えば解散しません。

今年のピンチをチャンスに繋げたいです。

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2015年12月14日 (月)

原油安、6年ぶりか10年ぶりか

最近ようやくガソリン価格も下がった実感が出てきました。原油先物はリーマンショックで下がった時の水準に迫っています。これを抜けるかどうかが当面の問題ですが、再び高騰することは数年内には無いと考えます。

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6184066

14日の東京商品取引所では、中東産(ドバイ)原油先物が大幅続落した。取引の中心となる2016年5月決済物は前週末比1190円安の1キロリットル当たり2万9110円と、節目の3万円を下回り取引を開始した。夜間取引では一時2万8380円まで下げ、2009年3月以来、約6年9カ月ぶりの安値を付けた。前週末に急落した欧米原油先物相場の流れを引き継いだ。 (時事通信)

アメリカの原油先物のチャートです。今は35ドルくらいです。
10年前から上がり始めて147ドル、リーマンショックで下げて33ドル。アメリカ等の金融緩和で上げて115ドル、欧州・中国の景気悪化で今は再び下げています。
何処まで下げるのか。

Wti

3年前の自分のエントリーです。
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-beda.html
リーマンショック前後が147(ドル)→30で1/5だから、今回は115→23ドルと予想しますがどうでしょう!?

当たるでしょうか??

直近はリーマンショック後の33ドルが防衛ラインです。今は一旦停滞、17日のアメリカの利上げ決定や今後の利上げペースの発表如何に懸かっています。ここで一気に下抜けるか反発するかが決まります。
アメリカの利上げはマネーが債券に向かう、すなわち投資の引き揚げで、原油には下げ要因です。但し投機筋はそれを織り込んで予め空売りしているので、発表が予想通りなら彼等の買い戻しによって原油は一旦上げます。逆に予想以上に利上げが続きそうなら自分の予想のレベルまで下がるでしょう。

予防線を張るようですが、底値がいくらか、というのは大した問題ではありません。
原油の採掘コストに基づけば、20ドルを下回ったら(現状でも?)中東以外で採掘出来ないので純粋な需給関係では供給側として有り得ないレベルで、必ず戻ってきます。
逆に上値の目安は、アメリカのシェールガスの採算ラインが60ドル程度なので、これ以上では供給が増して下げてゆきます。
需要の面では中国次第ですが、基本的には景気の悪化に伴って今後も減少する見込みです。

つい1年半前までの原油の高値は投機筋のせいであり、あの頃は原油の輸入、我々消費者にとってはガソリン代などで苦しかった訳ですが、それが再び来るかと訊かれたら、自分はノーと答えます。

リーマンショック前のバブル景気とショック後の金融緩和は、共に有り余るマネーが原油他の商品に流れ込みました。それが需給関係を超える高騰の正体です。
金融緩和は日中欧が実行中ですが、ゼロ金利の日欧にこれ以上の緩和(=投機マネーの増大)の余地は少ないです。中国は何でもアリなのでアレですが。
逆にアメリカは利上げ(=金融引き締め=投機マネーの減少)です。「やっぱ止めた」などと手の平を返さない限り、投機筋による振れは小さくなります。

日本の一般消費者としては、ガソリン代が安いだけでも幸せかもしれません。
原油先物100ドルなんて、いくら働いてもザルに水を汲むみたいな時代は向こう数年は来ないと予想します。
投機筋にあまり搾取されずに日本国民が頑張って働けば報われる時代は、再び来ると信じています。

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2015年12月 9日 (水)

沖縄にディズニーリゾートという戦略

普天間基地が返還された場合には、跡地利用が最重要課題となります。政府はディズニーという強力な武器を手に辺野古への移設を推進する構えです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151209-00000004-okinawat-oki

【東京】宜野湾市の佐喜真淳市長は8日、菅義偉官房長官と首相官邸で会談し、日米両政府が2024年度以降の返還で合意している米軍キャンプ瑞慶覧のインダストリアル・コリドー地区へのオリエンタルランドのリゾートホテル誘致に向け、政府に税制優遇措置などの支援を要請した。

沖縄経済は米軍相手の諸々の商売で成り立っています。米軍が撤退して代わりの産業が無ければ沖縄県民は生活出来ません。そのために普天間基地の移設に反対する人達もいて、翁長政権を支える一翼となっています。
ここに大きな観光産業を誘致することで翁長政権を切り崩すのが短期的な狙いです。おそらく地元の土建業者も引き剥がすつもりです。

長期的には、基地返還後の県民の雇用を保証するすることで経済的自立を促します。間違っても中国資本に乗っ取られてはいけません。そのために日本政府の支援、オリエンタルランド社のノウハウ、アメリカの威光を注入します。
アメリカの威光というと語弊がありますが、東京ディズニーリゾートは米ディズニー社とライセンス契約を結んで5~10%のロイヤリティーを支払っています。上納金システムには批判もありますが、本件の推進がアメリカ側にも利益があることを示すことが大事です。普天間基地の移設が進まなかったことの一因に米軍側にメリットが無かったことを忘れてはいけません。

それにしても傑作なのが以下のくだりです。

佐喜真氏は、運用停止を話し合う負担軽減推進会議が開催されていないことを上げ、「政府と市が直接話す場をつくってほしい」と述べ、県を加えない新たな協議会の設置も要求した。

「県を加えない」、すなわち翁長外しです。
翁長知事が民意民意と叫ぶなら、普天間基地の宜野湾市と辺野古基地(予定)の名護市が移設賛成の民意を示してやる、ということです。

菅官房長官。翁長知事や沖縄タイムズさん達の天敵となりつつあります。

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2015年10月 6日 (火)

TPP大筋合意 自由主義経済の結束

長い交渉の末の合意、お疲れ様です。自由貿易の推進と言いながら裏の目的は中国への牽制です。ブロック経済がもたらすのは繁栄か戦乱か。日本外交は、まだまだ試練です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151005-00000066-mai-bus_all

【アトランタ横山三加子、清水憲司】環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の閣僚会合が5日午前(日本時間5日夜)閉幕し、交渉参加12カ国は貿易・投資ルールについて大筋合意した。難航が続いていた知的財産などで、最終的に各国が歩み寄り、すべての分野が決着した。今後は各国の国内手続きを経て、世界の国内総生産(GDP)の約4割を占める世界最大の自由貿易圏が誕生する。日本にとっては農産品市場の一層の自由化が迫られる一方で、自動車部品などの輸出拡大が期待される。

合意の席に日本がいたというのは、当初から考えたら凄いことです。
当ブログのTPP初出記事はこれです。
2011/10/29「どうせアメリカの犬ならば」
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-2b76.html
最初の参加は9ヶ国で、日本の参加は当時微妙でした。個人的には、中国に参加されると日本は没落するので参加やむなし、と考えていました。
しかし(当時の)民主党政権ではタフな交渉は期待できない、と諦めてもいました。
マスコミは、「バスに乗り遅れるな」とか「後から入っても不利」などと意見が割れていました。

それが交渉は難航し、4年にも渡りました。
日本ばかりかアメリカ国内にも反対派が多かったのが主因です。
簡単な構図としては、日本は農業を、アメリカは自動車を開放するのですから、当該の国内業界から反発が出るのは当然でした。

しかし最後は遅れ馳せの日本も自動車の関税撤廃の道筋を付けて決着しました。この経済圏において大きく優位に立ちます。含まれないのは中国と欧州。VWの牙城は崩せないだろうとの判断と思いますが、排ガス規制違反でどうなるでしょう?
一方で譲歩することになる農業では集約化など経営能力の強化が求められます。

惜しむらくはインドネシアです。
地理的にはTPPに属しますが、高速鉄道誘致の件を見るに日本から中国に寝返ったようです。中国の鉄道なんて、と思うのですが。
2.5億人に迫る大きな工場にも市場にもなる重要な国なので、中国としても味方にしたかったのでしょう。

TPP、ともかく決着しました。まだ各国議会での承認が必要ですが。
自由貿易を謳いながら実際はブロック経済という矛盾がありますが、座視していては遠からず中国に席巻されてしまいます。
弱者の主張には耳を貸さない中国の進出を抑えるには、日米が緊密に連携して周辺国を経済的・軍事的に守るよりありません。

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2015年9月25日 (金)

日露首脳会談で北方領土返還を

急に決まった感のある安倍・プーチン会談。動機が強いのはロシアです。投資や援助と引き換えに北方領土の返還が成るか、日本外交の正念場です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150925-00050003-yom-pol

北方領土を巡っては、岸田外相が21日、モスクワでラブロフ外相と会談し、事実上、中断していた交渉の再開を宣言した。しかしラブロフ外相は「領土問題は話し合いの対象でない」などと述べ、厳しい姿勢を示した。プーチン氏は28日、オバマ米大統領とも会談する。

ロシアは今、非常に苦しいです。燃料の値下がりで収支が悪化し、当てにしていた中国からの投資も果たされていません。このままでは破綻の危機です。
頼れる相手は日本しかいません。

以下は、自分の過去のエントリーです。

2013/1/10 北方領土は天然ガスが値下がりするまで待とう
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/35-f320.html
2015/2/8 原油相場が下がってロシアは苦しい
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-4aa9.html
2015/9/12 中国に裏切られたロシア
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/cat49014926/index.html

3年前くらいから、いつかは燃料は値下がりする、原油先物30ドル割れたらチャンスだろう、と待っていましたが、去年の夏頃から急落し、今の45ドルくらいでもロシア経済は維持できません。
中国による投資に活路を見出そうとしましたが、その中国も自国経済の維持に必死でロシアとの投資契約を事実上破棄しています。

ロシアは、もう日本に頼るしかありません。
中国が見捨てた投資案件に日本に出資して貰うのです。
日本側にもメリットがあります。北方領土です。
安保法制で下がった支持率を回復させる切り札となります。
日露双方に動機があるので、今回の話は急に進むのではないかと思っています。

あとは中国の出方次第です。
28日に日露と米中の首脳会談が開催されます。
極東安保の対立勢力の日本と中国が、1にアメリカ、2にロシアを取り込めるかどうかが大きな勝負所です。
会談後の記者会見に注目です。

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より以前の記事一覧