命の選別は必要だ
命が平等というのは現実ではありません。真正面からの議論が避けられてきた重いテーマですが、医療崩壊の危機には選別を決断する必要があります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/39372be9e67c945249a9af4cf32682a3a08b7350 Yahoo!JAPANニュース スポニチAnnex 最終閲覧日 2021年4月30日
大阪府の吉村洋文知事が30日、大阪府庁で囲み会見に応じ、新型コロナウイルス患者の入院調整などを担う健康医療部職員が「高齢者は入院の優先順位を下げざるを得ない」とするメールを保健所長に送っていた件について「府の方針とは明らかに違う」と撤回し、謝罪した。
大阪府は医療崩壊と言われており、国から120人の看護師が派遣されます。
こちらが直近の大阪府の感染者数と前週比です。ソースはYahoo!JAPANニュース 大阪府 新型コロナ関連情報です。
前週比は1付近にへばりついています。今のペースで感染者が出現していたら、大阪府の医療の逼迫は更に進むことになります。
そこでやむなく、
「高齢者は入院の優先順位を下げざるを得ない」
という言葉が出てきたのです。
高齢者が入院すると、治療に時間も手間も掛かり、何より体力が落ちて退院できずに病床を圧迫します。
同程度に重症でも、若い人なら早く回復して早く退院していきます。
重症の高齢者を入院させないというのは、有り体に言えば見捨てるということです。
上記の理由と、将来のある人達の未来こそ守らなければなりません。
医療資源の限られているときには、そう決断しなければなりません。
建前上、命は平等なので、公の場で出てきたら、知事という立場上は否定しなければなりません。
しかし困るのは現場の医療者です。命の選別という重い決断を何度も迫られるとき、何らかの強制力があった方が気持ちは楽です。それを否定されたのです。医療者の負担は増すばかりです。
願わくば、この報道が、医療資源は有限で、非常事態には命を見捨てなければならないということが、広く議論されることを望みます。
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