東京都の陽性判明者数は本日161人と減っています。一方で、4~6月のGDPは年率27.8%減です。
経済の落ち込みの方がよほど恐ろしいです。
個人的には、流行第一波の時よりもPCR検査を増やし過ぎたのが元凶と思います。
コロナのPCRだけでなく検査一般に言えることなのですが、完璧な検査はありません。
感度・特異度という性能の指標があります。
感度は、疾患がある人の中で検査陽性(病気であることを当てることができた;真陽性)の確率です。
逆に、疾患が無くても検査陽性になってしまう人もいます(偽陽性)。
特異度は疾患がない人の中で検査陰性(病気がないことを当てることができた;真陰性)の確率です。
逆に、疾患があっても検査陰性になってしまう人もいます(偽陰性)。

PCR検査は、感度0.7、特異度0.99程度と言われています。
感度0.7は、真陽性/疾患ありが0.7、特異度0.99は、真陰性/疾患なしです。
検査に間違いは付き物です。
新型コロナウイルス感染症の場合、偽陽性の結果の人は、疾患がないのにあると間違われて無症状でも収容施設送りになります。
偽陰性の結果の人は、自分は大丈夫だと思って外を歩き回って他の人に感染させてしまいます。
その検査の不完全なことを補うために、「検査前確率」という考え方があります。
無症状の人たちを集めて無闇に検査しても、偽陽性の人たちを増やして社会に負担をかけてしまいます。
「この人はコロナに感染してそうだな」、という情報を得たうえで(検査前確率を上げる、と言います)検査を行うと、特に偽陽性者を減らすことができます。
その情報とは、https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32791493/ J Med Internet Res. 2020 Jul 26. doi: 10.2196/21956.
によると、寒気、発熱、嗅覚障害、吐き気、息切れが5大症状だそうです。
他、接待を伴う仕事の従事者、感染者の同居家族、などが該当するでしょう。
以下、「検査前確率」ごとに陽性的中率(疾患にかかっていることを正しく判定する確率)を示します。
以下、検査前確率0.1%、1%、10%の順です。



検査前確率が高いほど、陽性的中率が高いことが分かると思います。
何が違うと言って、疾患なしを検査陽性と判定する確率が違うのです。
検査とは、本来はこのように、事前の情報から確率が高そうだという人に対して行うべきなのです。
ところが現実は、例えば東京都ですが、昨日の結果はこれです。
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
検査人数3379人、陽性率5.9%です。
さっきの3つの表の一番上の結果に近いです。
コロナPCRの陽性判明者は、多くが無症状~軽症なのですから、多くの偽陽性を生み出していると思われます。
これで収容施設が一杯だと騒ぐのはナンセンスというものです。
勿論、「クラスター」と呼ばれる集団は検査前確率が高いので、積極的に検査するべきです。
逆に、感染経路不明と言われている人たちの多くはここで言う偽陽性ではないかと思います。
プーとしては、クラスターに重点を置いて検査していた第一波の時の対応が正しかったように思います。
数字を色々変えて遊んでみたいという人のために、EXCELファイルを置いておきます。
ダウンロード - e382b3e383ade3838apcre381aee6849fe5baa6e789b9e795b0e5baa6e381a8e38081e6a49ce69fbbe5898de7a2bae78e87.xlsx
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