新型コロナウイルス感染症の感染者が東京で急増しているように見えますが、果たしてそうでしょうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/61ae4e7707ee602d7bf4bf20ab91836f5d30b46a (Yahoo!ニュース 産経新聞 最終閲覧日2020年6月26日)
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は24日午後の記者会見で、東京都で新型コロナウイルスの感染者が新たに55人報告されたことに関し「濃厚接触者などが積極的に検査を受けた結果が含まれている」と述べた。
このように菅官房長官は、積極的疫学的調査を行ったために把握できた人数が増えたのだと言いますが、Yahoo!コメントを見ると批判の嵐です。
発表された人数ベースで考えれば、実効再生産数は連休直後に0.3弱まで下がったのが、今は1~2なので、感染爆発の徴候と考えることもできます。

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/ (都内の最新感染動向 最終閲覧日2020年6月25日までのデータと6月26日の感染者数を元にグラフ化)
しかし検査の方法を変えれば把握できた割合も変わるのは当然で、単純な前後での比較はできません。
プーの6月16日の記事では、東京都の感染判明数と抗体保有率を比べたときに、感染者数の把握割合は3割程度と述べました。
ということは、積極的疫学調査によって今までの3倍程度までは感染判明数は増加しうるのです。
では、何を見て流行状況を知ることができるのでしょうか。
ずっと同じ検査をしている他の感染症を見れば良いのです。
こちらは、東京都の感染性胃腸炎の流行状況のグラフです。

http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/gastro/gastro/#vtype 東京都感染症情報センター 最終閲覧日2020年6月25日
過去4年間と比較できます。赤線が今シーズンの流行です。
例年に比べて著しく低調です。我々のコロナ対策は、感染性胃腸炎の流行も防いでいます。
それでも、第19週(5月4日~)をボトムに少しずつ増えています。
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/weekly/ (東京都感染症情報センター 最終閲覧日2020年6月26日)の感染性胃腸炎の定点当たり報告数を見ると、第19週で定点当たり0.67人だったのが第25週では2.0人程度のようです。
0.67人が6週かけて2.0人に増えるとすると、1週間当たりの増加割合は約1.2です。0.67に1.2を6回掛けると2.0になるということです。
新型コロナウイルス感染症の実効再生産数も同様と考えられます。
我々の自粛の心理も、GWを境にその程度には緩んだのです。
プーは、日本の経済を考えたときに、実効再生産数1.2程度の緩みは許容しなくてはと考えます。
飲み屋さんだって新しい生活スタイルに従って客が今までの半分では潰れてしまうのですから。
なお、毎年1、19、33週で激減していますが、それぞれ年末年始、GW、お盆に対応しています。
学校や職場が休みの時は人の接触が少ないので感染症の流行も落ち着くのです。
コロナウイルスも、もう1年経てば、感染性胃腸炎やインフルエンザと同じような波を繰り返すと考えられます。
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