大学病院は存亡の危機
大学病院の経営はコロナ禍で特に悪化し、無給医を中心に離散の危機に陥っています。維持可能な医療のための支援が必要です。
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishikurafuminobu/20200531-00181186/ (Yahoo!ニュース 最終閲覧日2020年5月31日)
特に心配されるのが受け入れの医療機関の問題です。前回も指摘したように、新型コロナウイルスを受けいれている感染症病棟や集中治療室の医療関係者は忙しいですが、それ以外の部門では緊急手術や検査以外は控え、患者さんも感染を恐れて来院しないなど経営危機が心配されています。
(中略)
大学病院には正規のスタッフの他に大学院生や薄給や無給で働く非常勤医師も大勢います。働き方改革でこのような中途半端な立場の医師をどのように処遇するかが大きな問題となっていました。薄給や無給の医師の収入は地域の病院での外勤(アルバイト)です。
医師の足らない病院との関係は良好でしたが、新型コロナウイルスのまん延で外来患者がかなり減った診療所や病院では外勤(アルバイト)の雇い止めが始まっています。また、他府県に外勤している場合は「しばらく来ないで欲しい」とも言われているようで、大学病院のみならず、個々の医師の収入もかなり減少するでしょう。
医療機関が減収に苦しんでいることは、当ブログの5月19日(http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-4a3747.html)で述べましたが、特に無給医は厳しいです。
大学からの給料が無い、わずか、それ以上に大学院の学費を払っている医師は、「外勤」が生命線です。それを絶たれたら生活できません。
政府の2次補正予算で医師に最大20万円が支給されることが決まりましたが、彼らの失われた収入を補うには到底不足です。
東京のように生活費が高く、流行がなかなか収束しない地域の無給医は、転職が続出すると思われ、診療体制の弱体化も避けられません。
対策はとにかくお金ですが、国家財政にも限りがあります。支出をこれ以上増やさずに出来る対策は、
・5月19日にも述べたとおり、国民医療費で前年同月の実績から減った分の収入を補填する(確保されている予算から拠出する)
・医師に支給される金額を増やして代わりに雑所得(課税所得)扱いにすることで生活困窮医師に多く配分されるようにする
が思いつきます。
長期的には有事に対応出来るように診療報酬体系や無給医問題を何とかしなければなりません。
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