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2019年7月10日 (水)

ハンセン病の元患者家族と弁護団

プーはハンセン病元患者とその家族には本当に気の毒と思いますが、弁護団については強い疑念を抱いています。
ハンセン病元患者の家族が差別による損害賠償を求めた訴訟で、国が9日、控訴断念の意向を示した。長年強いられた苦難の日々に差した一筋の光。「ようやくここまできた」「ほっとした」。原告らは喜びの声を上げ、心からの謝罪を国に求めた。
 
ハンセン病を起こすライ菌は、細胞内に寄生しないと生存できない、増殖速度は11日と遅く、感染経路は乳幼児期の大量の菌の吸入のみ、発症に数年~数十年という、極めて感染力の弱い感染症です。しかも1960年に特効薬が開発されて完治するようになりました。現在「患者」は日本には殆どいません。その性質は治るということ以外、同様に偏見の対象だったHIVと似ている点が多いです。
 
分かってみれば全然怖くない感染症ですが、あまりにも弱すぎて昔は原因の特定ができませんでした。インフルエンザのように8時間で100倍に増殖する病原体なら、検査方法のない時代でも感染症であることは分かるのですが、ハンセン病のように散発的に発症するものでは、前世の罪の印だと恐れられていました。
 
かと言って感染症でないとも言えないので、患者は村を追放され、村に残った家族もあらゆる場面でコミュニティから疎外され、元患者によると村八分よりもひどい「村十分」の扱いを受けていたそうです。
 
このような扱いが、特効薬が開発されて隔離の必要のない病気という科学的知見が確立した1960年以後も続き、法的には1996年の「らい予防法」廃止まで続きました。その後も一般人の偏見は根強く残り、2003年には元患者がホテルの宿泊を拒否される事例がありました。
 
そういう経過を踏まえれば、元患者の家族が訴訟を起こすのは納得できる話ではあるのですが、弁護団や共産党の態度に対しては複雑な気持ちです。
 
判決要旨には、ハンセン病の知見が確立した後の社会の偏見を正すのは国の義務であり、それを怠った、と書いてあります。しかし実際は容易なことではありません。国が「らい予防法」廃止した後に元患者たちを差別した主体は、ちょっと頑固で声の大きい一般国民です。その人たちまで啓発することは不可能です。被害を訴えるとしたら彼らであるべきですが、捕捉も賠償も困難なので、弁護団は被告として国を選びます。彼らにしては当然の戦略なのですが、プーとしては筋が違うと思います。
 
ハンセン病患者と共産党のつながりですが、1947年に療養施設内の懲罰用監禁室で多数の死者を出した「重監房」に共産党の国会議員が立ち入り調査し、同年のうちに廃止に漕ぎ着けました。患者達にとっては大恩人です。以後の訴訟では持ちつ持たれつの関係であったと考えます。「赤旗」にによると、常に寄り添っているそうです。
 
今回の判決に対する安倍首相の「控訴断念」は、参院選に対する政治的アピールという声が聞かれますが、プーは逆だと思います。共産党にとっては、判決の出た6月28日から控訴期限は2週間なので、どうしても参院選前に控訴するかどうかを決めなければなりません。控訴すれば「アベは冷酷」、断念すれば「アベは謝罪しろ」と、どちらに転んでも政権を攻撃する材料にできるのです。
 
プーがさらに懸念するのは、他の疾患や歴史問題などでも同様に家族による訴訟が乱発することです。
この決断が悪しき前例にならないか、政治と司法に注目していきます。
 
参考資料
社会福祉法人 ふれあい福祉協会 ふれあい福祉だより第14号
公益財団法人 日本財団 知ってほしい、ハンセン病のこと。

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