BRexitは後世に語り継がれる大事件
まさかの英国EU離脱でした。EU残留を呼びかけた下院議員の死をもってしても止められませんでした。それほど、英国民には移民に対する不満が渦巻いていたのです。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kobayashiginko/20160624-00059221/
23日に英国で行われた欧州連合(EU)を離脱するか、残留かについての国民投票で、離脱派が約1740万票(51.9%)を集めて勝利した。残留派は約1600万票(48.1%)だった。
欧州は、2015年9月にドイツのメルケル首相がシリア難民の受け入れを表明してから混沌の坩堝です。
「難民」をドイツ一国で対応しきれなくなってEUに負担を分散しようとして各国の反発を招き、ハンガリーやマケドニアのように国境を封鎖する国も現れました。
ドイツに次ぐ経済規模を誇る英国も移民達の標的であり不満が多いです。
移民により、従来の国民の職が奪われる、自分達の社会保障費が移民に回される、治安が悪化する、という問題は労働者階級にとっては切実です。
そう言えば、キャメロン首相も移民支援を表明していました。英国民から恨まれて当然か。
しかし、EU離脱によって移民に悩まされることが無くなるとは言え、EU離脱のデメリットも大きいです。
最も大きいのは関税です。EU離脱によって、従来はEU圏内に関税無しで輸出できていたものに関税が掛かり、自国製品の競争力が低下するのです。
移民問題と経済のどちらを優先するのか。非常に難しい問題ですが、英国民は移民の方がより大きな問題と認識したわけです。
それだけで言えば英国の今回の結果は理解出来ますが、問題は、その前に英国がEUに対し、移民への社会福祉の制限などを盛り込んだ妥協案を飲ませていたことです。
そんな協定を結んでおいてEU離脱では、EU各国から「英国、お前ふざけるな」と非難されるのは当然です。
EU離脱のための国民投票を行う国が続出して、最悪はEU解体まであり得ます。
さて、為替市場も大変なことになりました。
英ポンド/円相場は、終値18円安、1日の値幅は26円となりました。
外為ドットコムは、予め10%程度の変動は予告していましたが、「より悲観的なシナリオ」に当てはまってしまいました。
ドル円のスプレッドがクローズ時点で22セント(通常0.3)とか、笑うしかありません。
来週には、日本などが緊急声明を発表して火消しを図り、市場は落ち着きを取り戻すと予想します。
つい先週末は、日銀が追加緩和を行わなかったことに対して失望の円高が起こっていたものですが、GRexitを受けてカードを切る方が遥かに有効です。
消費税増税延期を含め、日本政府・日銀はリーマンショック級の本事件を予想していたのでしょうか??
来週は事態収拾に向けた動きに注目です。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
最近のコメント