福士加代子選手の名古屋出場は無謀
五輪出場を確実にしたために本番でのメダルの希望を捨てるのか。ゼロリスクのコストの大きさは冷静に検討すべきです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160225-00000063-nksports-spo
女子マラソンのリオデジャネイロ五輪最終選考会の名古屋ウィメンズ(3月13日、ナゴヤドーム発着)の記者会見が25日、名古屋市内で行われた。1月の大阪国際女子を2時間22分17秒で優勝した福士加代子(33=ワコール)はゼッケン101番の一般参加で、選手の中に名を連ねた。
女子マラソンの五輪選考はよく揉めます。
選考基準は、
1.2015年世界陸上の入賞者。7位の伊藤舞選手が決定しています。
残り2枠は、2.さいたま国際、大阪国際女子、名古屋ウィメンズの3大会で派遣設定記録2・22・30を上回った選手から優先的に選ぶことになっています。
福士選手の大阪国際女子での優勝タイムは日本女子歴代7位で、それより上のタイムは野口みずき、渋井陽子、高橋尚子など10年以上昔の記録で、今の選手達が名古屋ウィメンズで2人超えてくることはとても考えられません。同レースの優勝候補は、野口みずき(自己ベスト2・19・12)、木崎良子(同2・23・34)、早川英里(2・25・31)です。
陸連委員長も、立場やルール上「決定」は言えないものの、「出ることは避けていただきたい。本番(五輪)でメダルを目指す盤石の態勢を整えてほしい」「あまりそういうこと(複数選手の突破)は想定されない」と述べています。福士選手に最大限配慮しています。
しかし野口選手はもとより、自身が大阪国際女子で自己ベストを2分以上更新したような走りを木崎選手がしたら、五輪出場は盤石ではありません。
福士選手の戦略として名古屋ウィメンズに出場したら、一応先頭集団に付き、優勝タイムが遅そうならペースを落として疲れないようにし、逆に2番手選手が自身の大阪のタイムを超える恐れがある場合は喰らい付いてぶち抜く、という形が有力です。
しかしそれを見た他の選手がどう反応するのか。誰だって五輪に出場したい。速い選手が一人だけなら丸く収まりますが、2番手でもあまり差が無ければ突っ込む。福士選手は当然付いてくる。疲労骨折の再発が一番心配ですが、それによって代わりに出場できるとしたら・・・
悪意が無くても不幸になるってそういうものなのかもしれません。
一つ考えられるのは、福士選手は五輪「出場」を、陸連は五輪「メダル」を望んでいる、というニーズのギャップでしょうか。
福士選手の気持ちは分かりますが、陸連に逆らうのは得策ではありません。完全ではないものの「配慮」してくれているものには応えるのが大人というものだと思います。
トップアスリートの闘争心は一般的な尺度では理解出来ないものなのでしょうか。
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コメント
僕も自身のブログに書いた通り、福士選手の名古屋出場には反対です。
プーさんのおっしゃるように無謀としか言いようが有りません。
福士選手だって、五輪に出場する以上はメダルは欲しいでしょう。 今回の強行出場はその可能性を極端に下げるものと言えます。
残念なことに前田彩里選手が出場を断念した段階で、二人以上の選手が福士選手のタイムを上回る可能性はほとんど無くなったと言えるでしょう。 もちろん、突然の新星が現れないとは限りません。 しかし、強行出場して怪我でもしたら、せっかく掴みかけた五輪出場の夢は泡と消えてしまいます。 そんなバカなことをする意味が有りません。
投稿: ちゃんちゃん | 2016年2月26日 (金) 21時13分
全くですね。
それでも意味があるとすれば、と書いてみましたが、99%を100%にするためのコストが大きすぎます。
取り止めてもらえないでしょうかね・・・
投稿: プー | 2016年2月27日 (土) 10時06分