« デフレ克服には | トップページ | あったかいんだからぁ~ 50km走 »

2016年1月15日 (金)

碓氷峠バス転落。一人100円かけていれば

碓氷バイパスの入山峠でバス転落、14人死亡。亡くなった方々のご冥福を祈ります。今後、格安ツアーの暗部にメスが入って健全な業界に生まれ変わることを切に願います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160115-00000027-asahi-soci

15日午前1時55分ごろ、長野県軽井沢町軽井沢の国道18号(碓氷〈うすい〉バイパス)の入山峠付近で、土屋広さん(65)=東京都青梅市=運転のスキーツアーの大型バス(乗員・乗客計41人)が対向車線を横切り、道路脇約5メートル下の斜面に転落した。県警によると、土屋さんら運転手2人を含む男性9人と女性5人が死亡し、27人が重軽傷を負った。県警は、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で捜査を始めた。

バスの事故というと、2012年の関越道の事故を思い出します。ディズニーランドに向かう途中の藤岡ジャンクションで居眠り運転によって防音壁に突き刺さり、7人の死者を出した事故です。
今回の事故は運転の交代要員がいたということで、居眠りと言うよりは急性心筋梗塞などの突発的な病気で事故に至ったと想像します。

場所は碓氷バイパス、峠を少し越えたところです。上りの九十九折りを終えてホッとしたところでしょうか。下りの直線で発作を起こしたら真っ直ぐ突き抜けてしまいます。こんなカーブは2箇所しかありません。よりによってこんなところで、という悪運は確かにあります。
Google Mapより。
Photo

世の中、いまだ格安ツアーなのですね。
というか、自分の学生時代を思い出せば、いくつかツアーや旅館の選択肢があれば、100円単位で値段を比較したものです。それで後悔したこともありましたが。
移動時間が長いと言っても寝ていれば良いです。若者なら悪い姿勢でも耐えられるでしょう。
暖冬で群馬県や軽井沢あたりまでスキー場が使えないことも影響したでしょう。この負担は主に運転手に掛かってきます。

問題なのは、行程表と異なるルートを通っていたという話です。
原宿から斑尾高原まで、全部高速道路なら4時間、高速代往復26,000円(深夜の大型バスETC料金。以下も同様)、一人700円の負担増です。学生にとっては馬鹿になりません。
逆に、全部一般道なら280kmで7時間。休憩を含めれば全8時間の行程表の時間と一致します。一部高速道路利用と言いながら、最初からそうするつもりだったのでは? と勘繰りたくなります。

東京から斑尾高原までの一般道は、川越街道、407号、17号、18号で行けますが、碓氷峠(碓氷バイパス)が唯一の難所です。これを回避するための松井田妙義から佐久までの高速代は往復3,680円。客一人にすれば100円の負担です。
本件では練馬から東松山までは高速を使った模様ですが、これこそ不要です。川越街道が並走しているからです。そしてこちらの方が往復5,060円と高いです。
乗客が寝るまでの時間、高速走ってるよアピールしたかったのではないでしょうか。ともかくも、最も重要な区間の高速料金、僅か一人100円をケチって大事故を起こしてしまったのです。

会社の発表では、時間調整のために運転手が勝手に道を変えたと言っていますが、おそらく、出来るだけ一般道でという圧力がかかっていたでしょう。運転手が自ら進んで一般道を走る動機は、高速代が自腹としか考えられません。時間調整なら休憩すれば良いだけです。

2012年の関越道の事故を受け、厚労省からバスの交代運転者の配置基準が定められました。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/dl/kousokubus-01.pdf
難しいことが書いてありますが、要するに連続4時間を超えたら2人必要、ということのようです。

個人的には、ワンマンで高速を使って片道4時間で良いじゃないか、と思うのですが、会社にとっては高速代の方が交代要員の日当より高いという判断で、客にとっては夜出て寝て朝着くのが便利で、4時間は却って不便、ということなのでしょう。客の払う料金は高速を使っても使わなくても同じです。
となると、夜中の長時間運転は会社と客のニーズの一致であり、運転手のみに負担が重くのしかかる、という構図です。本件はこの負担に耐えられずに起こった事故、と言えます。

今後はどう改善したら良いのでしょうね? 長時間でも安くて寝られるのがバスツアーの肝なので、ここは譲れません。
某社のバスツアーのタイトルですがこれを改変、「新宿夜発ゲレンデ直行 スキーバス スノーボードバス(片道・往復) 碓氷峠は高速道路を保証!」で、片道+100円を客に理解して貰う・・・でも乗客が少なかったら会社持ちになってしまう。
交代要員は運転手のそばを離れない・・・休まりませんね。
3交代制で!・・・コスト上がりますね。
いっそ、厚労省で最低料金の規制をかけるとか・・・料金が硬直しますね。

テクノロジーの進歩を考えれば、ドライバモニタリングと自動ブレーキの連動でしょうね。導入コストは高いでしょうが、この普及を国家レベルで支援する。というのが良いように思えます。いずれは高齢運転者支援にも使えるようになるので。

忘れた頃に起こる大事故。教訓を忘れずに今後に生かしたいです。

Banner_13よろしかったら応援クリックお願いします。

|

« デフレ克服には | トップページ | あったかいんだからぁ~ 50km走 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

 今回の事故はバス運行会社にかなり問題が有るように感じますね。

 ツアー会社は法律通りに言っただけかもですが、きちんと行程を示していた上で、『行程表と異なった経路を勝手に変えることは通常有り得ない』と言っていたのに対し、バス運行会社は、『行程表と違う経路に運転手が自分の判断で変更することは往々にして有った。時間調整等のため。』と言っていましたが、実際に運転手に手渡された指示書には出発地と到着地しか書かれておらず、途中の経路は一切書かれていなかったとか。 会見に応じていた営業部長とやらの言っていることもこのように整合性が無く、今回運転していた運転手さんもスキーツアーは今回が初だったかどうか、昨日の夜になっても把握していないような状況でした。
 運転手に健康診断を受けさせておらず、すでに行政処分もされていたとか。
 いまどき我々建設業界の小さい会社の職人さんレベルでも健康診断は受けさせているというのに、大勢の命を預かるバス運行会社の運転手が健康診断を受けていないというのは実に恐ろしく感じます。
 今回の事故についてはプーさんの想像されているような運転手の突発的な病気等による事故の可能性はかなり高いような気がしますので、健康診断を受けてさえいればこのような事故が防げた可能性が有るだけに残念ですね・・・
 このようなバス運行会社を使っていたツアー会社も責任を免れられませんね・・・

 将来有る多くの若者の命を奪った事故、大変残念でなりません。
 ご冥福をお祈りいたします。

 頭文字Dで良く見かけた『碓氷』『妙義』などの地名、こういう形で見かけるのは非常に残念です。

投稿: ちゃんちゃん | 2016年1月16日 (土) 08時46分

色々情報ありがとうございます。

コスト・管理体制・激務・健康診断・土地勘・シートベルト・運など、どれか一つでも良ければこれ程の惨事には至らなかったのに、と思うと無念です。

健康診断は万能ではありませんが、脳卒中・心筋梗塞の「起こりやすさ」は大分把握できます。だからと言って仕事ダメとは言えない難しさがあります。そしてこれが誰にとっての免罪符なのか、というのも微妙です。

以前、碓氷峠を走りたいなどと言っていましたが、怖いので止めておきます。
今度のロングランで妙義山を撮って、「妙義の谷は(略)」も止めておきます。

投稿: プー | 2016年1月16日 (土) 15時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/420968/63481335

この記事へのトラックバック一覧です: 碓氷峠バス転落。一人100円かけていれば:

« デフレ克服には | トップページ | あったかいんだからぁ~ 50km走 »