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2015年10月23日 (金)

老衰の増加、日本人の死生観の変化

「老衰」で亡くなる人が増えているとのことです。苦痛を少なく自然な形で最期を迎えたい、という考えの人が増えてきました。自分も賛成です。

http://news.nifty.com/cs/item/detail/postseven-20151022-357670/1.htm

近年、「老衰」で死ぬ人は増加している。1938年の9万8451人をピークに老衰による死者の数は減少を続けていたが、2000年に2万1213人で底を打った後、大幅な増加に転じ、昨年は戦後最高の7万5340人を記録した(厚労省『人口動態調査』)。この10数年でおよそ3.5倍に増加したことになる。

 その背景には自ら進んで「老衰死」を求める、という考え方が浸透しはじめている面もある。というのも、点滴や胃ろう(栄養などの摂取のために腹部に手術で穴をあけ、胃に直接チューブを入れて流動食を流し込む方法)などの延命治療を行なうと「老衰死」に至らないケースが少なくないのだ。

老衰(死)というのは、老化に伴って起こる全身的な生命維持機能の低下により亡くなることです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%80%81%E8%A1%B0
「全身的な」というのがポイントで、心臓が特に悪ければ「心不全」、腎臓なら「腎不全」、癌があれば「○○癌」となります。
逆に、検査結果などで特に悪いところが無く、どう見ても老化で亡くなった、と医師が判断した場合に、死亡診断書に「老衰」と記載します。

多くの場合それは、食事が摂れなくなったことから始まります。
食事を摂って体の栄養とする作業が実は、意外と手間の掛かることです。
食物を口に入れ、咀嚼し、嚥下し、胃で消化し、腸で吸収し、肝臓に貯蔵し、蛋白質などを合成し、各器官の日々の損耗を修復する。一方で不要なものは排泄する。

いずれの局面がダメになっても、栄養摂取が出来ないことで急速に衰弱が始まります。
その場合、いずれか一点なら打つ手はあります。
記事中にもありますが、嚥下がダメなら「胃ろう」、胃腸が悪ければ「点滴」などです。
しかし身体が全体的に衰えてきた場合(=老衰)には厳しいです。「胃ろう」を作って栄養を入れても胃腸が弱ければ嘔吐して誤嚥性肺炎、「点滴」しても心臓・腎臓が悪ければむくみ・肺水腫を起こして却って状態が悪化します。

「身体が受けつけにくくなる」というのはこういうことです。

そういう患者さんには、自分は少量の点滴で対応します。
一般に人間の一日に必要な水分量は、体重1kgあたり成人50ml、老人40mlと言われています。
寝たきり老人でも1.5L/dayくらいの点滴を要する勘定ですが、実際に入れていると大体むくんできます。
経験的には1L/day、小さいお年寄りでは500mlでも良いくらいです。
それくらいでやっていると大抵、肺炎も心不全も起こさず、だんだん眠るような形で2、3ヶ月後に亡くなります。

これが一番安らかな最期の迎え方と思っていますが、ご家族の意向によっては頑張って治療しなければならずに肺炎など起こして苦しむこともあります。
記事中では「遠方に住む長男」が方針を覆したというケースが紹介されていますが、極めて典型的な例です。そばで介護している家族は、老人の老衰が自然の流れと理解しているのですが、普段接していない人には、急に具合が悪くなった、こんな馬鹿なことがあるか、と感じられるのです。

記事では千葉県での県民アンケートで延命治療を望むかどうかを調査したとのことです。
http://apital.asahi.com/article/local/2015040400002.html
別記事に詳細が載っていますが、自分の延命を希望しない人が89.9%、親の延命を希望しない人が78.4%とのことです。
終末期の場面では本人の意思表示は出来なくなっているので、差し引き1割程度は不本意な延命治療が行われていることになります。
これを防ぐためには、元気なうちの意思表示です。特に遠方の親族にも伝えておくことです。

経済・公衆衛生・医療技術の発達によって「死」が身近でなくなった現代社会ですが、高齢化社会となり徐々に変化が見られます。
「終活」という言葉が流行語大賞に入選したこともあります。
皆さんも、元気なうちに自分の最期の形を相談しておくことをお勧めします。

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