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2015年7月25日 (土)

中国株高と原油安の乖離が示すもの

今まで中国株と原油の相場は大方比例関係にありましたが、その関係が崩れてきました。どっちが本物なのだろう? ということになりますが、自分は原油相場が本物と考えます。

原油先物の代表的指標であるWTIの今週終値は48.06ドルでした。3月の一時43ドルへの暴落から切り返して60ドル前後で揉み合い、今月に入って再び下げています。
中国の上海総合指数は、去年後半から大きく伸び、6月中旬に5000ポイントを超えましたがその後急落、今月上旬に3400に落ち込みました。ここまでは原油と比例していますが、その後は上げに転じ、終値は4070に回復しています。

その株価上昇のカラクリは下記に詳しいです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150720-00044260-gendaibiz-bus_all

「中国株は、中国共産党が胴元になっている賭博です。共産党は配下に収めている政府機関と官製メディアを使って煽り、2億人以上の国民を株式市場に駆り立てておきながら、あげくその資産を収奪したに等しい。いまや中国全土が大混乱に陥っていて、夥しい借金を抱えて自殺する人も相次いでいます」
(中略)
以後、2億人以上と言われる中国の「股民」(個人株主)たちが、全財産を失って「跳楼」(飛び降り自殺)するケースが中国全土で続出。「跳楼」という言葉が、にわかに流行語になっている。
(中略)
 「私の周囲にも、50万元(約1000万円)損したなんていう知人はザラで、1000万元以上損した友人もいます。7000万人以上が、平均30万元から50万元は損したと、中国メディアは報じていますが、これは極めて控え目な数字でしょう」
(中略)
「それというのも、中国で株価が低迷した'12年8月に、『股民』を増やそうと、自分の持ち金の何十倍分も掛けられる信用取引を解禁したからです。このハイリスク&ハイリターンの信用取引に、一攫千金を狙う中国人が殺到しました。
(中略)
それに加えて、全体の77%を海外投資家が占める日本株と違って、中国株の主役は、2億人以上の「股民」で、全体の82%を占める。そのため、株価暴落は中国社会を直撃しているのだ。まさに、中国バブル大崩壊である。(中略)
中国政府は6月末から、まさになりふり構わぬ対策を講じた。
 6月27日、国務院傘下の中国人民銀行(中央銀行)は、今年に入って3度目となる政策金利の引き下げを発表。2日後の29日には、今後は公的年金基金の最大3割、約11兆7000億円で中国株を購入して支えていくことを決めた。
 7月に入っても、4日に中国証券監督管理委員会が、大手証券会社21社に、総額2兆3500億円以上を株式投資にあてさせると発表。上海証券指数が4500ポイントを回復するまで、各社は保有株を売却できなくなった。

もはや中国株は相場とは言えなくなりました。
政府が国の威信を懸けて梃子入れし、株式売却も禁止しました。これだけのことをやれば、確かに指数は上がるというものです。
しかしこれで個人投資家が戻ってくるかというと、まずありません。自殺しないまでも借金だけが残った彼等は、困窮と不信によって相場には二度と手を出さないでしょう。

そして、習近平主席は毛沢東主義者だそうです。

 今回も習近平主席は、経済オンチぶりを見せつける能天気な行動に出た。
 株価暴落が始まった6月16日には、本人のたっての希望で、2泊3日で貴州省遵義への視察に出かけた。習主席が誰よりも尊敬する故・毛沢東主席が1935年、「遵義会議」を開いて権力基盤を確立した中国共産党の「聖地」だ。
(中略)
 ちなみに毛沢東主席もまた、極度の経済オンチとして知られた。「15年でイギリス経済を追い越す」と意気込んで、国中の鍋まで鉄鋼に変えようとした結果、約3500万人の国民を餓死させている。晩年には文化大革命を起こし、丸10年にわたって国の経済をマヒさせた。
 習近平主席も、毛沢東主席以来の経済オンチなのである。

鍋を鉄鋼のくだりは、「大躍進政策」のものです。鉄鋼の増産のために人民の鍋が供出されて生活出来なくなった、という出来の悪い笑い話ですが、これで数千万人の餓死者を出したのだから寒気がします。
大躍進政策の詳細はこちら。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%BA%8D%E9%80%B2%E6%94%BF%E7%AD%96
要約すると、現実と科学を無視した素人による政策立案を無理矢理実行して人民の生活が破壊された、というものです。
そして、これによって失脚した毛沢東が再び権力を掌握するために起こした権力闘争が文化大革命で、被害者1億人とも言われています。

今の中国は、株式相場の粉飾真っ最中。ちょっと前には不動産バブルと「鬼城」建築ラッシュ。さながら大躍進政策を再び行っているようなものです。
次に来るのは文化大革命です。

それを防ごうと思ったら、外への膨張しかありません。
最近は、東シナ海のガス田にプラットホームを新設し、ヘリも発着出来るというニュースや、台湾総統府制圧を想定した市街戦訓練を行ったというニュースが流れました。

そんな中国に対して無策で良いはずがありません。
安保法制の国会審議では、中国は名指しされませんでしたが、明らかに中国対策です。
衆議院通過で一息ついたところで中国の膨張政策のニュースが出ると言う点に中国への配慮が見て取れますが、個人的には審議中に流せば日本国民の納得が得られたのにと残念に思います。

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