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2015年4月16日 (木)

時給1500円はデモでは実現しない

自分の給料はどこから出ているのか、を考えればデモをしている場合ではありません。労働環境に閉塞感があるのも事実ですが、その改善のアプローチは違うもので、しかも時間が掛かるのです。

http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/kyodo-2015041501002063/1.htm

15日、渋谷の繁華街でファストフードのアルバイト店員達が世界同時アクションの一環として、時給1500円要求のデモを行いました。

これに対する批判記事はこちら。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150416-00010000-scafe-bus_all&p=1

時給が低いから生活が困窮している、だから時給を上げれば生活は改善する、という事なのだろう。さて、これは正しいのだろうか。結論から言うと100%間違いだ。もしファストフード店の時給が1500円以上になればマックもロッテリアもモスもすべてのお店がつぶれる。

やや長文なので、引用部分を要約します。

いきなりマックの時給を大幅に上げたら客が来なくなり、会社は潰れてしまう。
また、企業側は機械化を促進したり雇用を絞ったり仕入れを海外に頼ったりという対策を打ち、労働市場や景気は更に悪化する。

経営者や株主の取り分を減らしてでも時給をもっとアップすべきだ、と主張をしても法律に基づかない主張を受け入れるかどうかは企業側の自由だ。これが発展すればストライキになるが、春闘が企業と労働組合の話し合いによってほどほどの水準で妥結するのは、企業にとってストライキは困るが過剰な賃金アップも困る、従業員は給料を上げてもらいたいけど会社がつぶれたら元も子もない、という相互依存の形になっているからだ。どちらか一方の都合だけでは給料アップはできない。
(中略)
デモの主催者には、多くの人に受け入れられる根拠のある形へと主張を練り直す事をお勧めしたい。お祭り騒ぎのようなデモで給料が上がる事は決してない。

この点にそこそこの回答を示したのが今年の春闘です。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150416-00000088-jijnb_st-nb
集計対象企業の正社員に限りですが、2.59%のベースアップです。
「官製春闘」との批判もありますが、ただベアを叫ぶだけより余程上等です。
安倍政権には賃金上昇が支持率上昇に繋がり、企業側は新たな政権交代による景気低迷を避けるために政権の言うことを聞いておこう、という相互依存です。

アルバイト労働者にまでその恩恵が及ぶかどうかは今なお不透明ですが、政権の説明する賃上げと内需拡大のサイクルに期待するしかないし、叫んでも足を引っ張るだけなのです。

ただし、この記事にも納得出来ない点があります。

企業は徹底した競争を、国は手厚いセーフティネットを。これが当たり前の環境にならない限り、失われた20年は失われた30年になってしまうだろう。

手厚いセーフティネット。これが正しいのかどうか。

この人の別記事では、雇用の責任の所在は世界的に3つの類型があるそうです。労働者が失業した時・しそうな時にどうなるかです。
アメリカは従業員の自己責任。北欧は国が全面的に面倒を見る。日本は終身雇用。
日本はそれが崩れてきていますが、その分を国が支えるべきだという主張です。

しかし国が支える原資はどこから来るのか。労働者の給料と法人税です。セーフティネットの拡充は企業に負担を掛けるので、慎重になるべきです。

では良い解決策はあるのか。
個人的には、緩徐ながら改善する策として、完全雇用、だと考えています。
給料は安くても一旦労働市場を飽和させる。これに尽きます。
これによって、労働者は企業に対して「給料と待遇が見合わないから辞める」と言えるのです。
少し前まで蔓延っていたブラック企業は、辞めたら次の仕事のない労働者の弱みに付け込んで儲けていたのです。最近は少しずつ、それが出来なくなってきています。

但し、それによって企業がリストラを行ったらその分だけ職場が減るので、アベノミクスの言うように簡単に賃上げが進むとは思っていません。
それでも、それしか方法は無いと考えています。

実はもう一つ、原油が下がれば海外へのマネー流出を減らせて良いですが、今の原油先物は55ドル台と一時期よりは上がっています。20ドルまで下がると予想した自分が恥ずかしいですが、原発再稼働が遅れに遅れているのが大きく関係していると思っています。

ともかく、デモなんかやっている場合ではないのは確かです。
或いは、裏で操っている何者かがいるのでしょう。

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コメント

アメリカで時給1500円が実現できるのは健康保険や年金の分が入っていないせいでしょう。

ウォルマートに代表されるアメリカ型の企業は保険(医療)を自己負担とせず政府に寄生しています。
日本や他の国々は国民健康保険が当たり前となっていますが、アメリカでは正社員しかまともな医療が安心して受けられません。
また年金等も負担をせずにいるようです。
もっともだからこそ『高い時給』をうたえるのでしょう。

ファストフードのアルバイトはこのような事も知らないでデモをしているのでしょう。
国民健康保険や業種別保険(例:大工さんや建設業の組合等)をなくして高い時給を得たいのでしょうか?

世界同時アクションといえば聞こえはいいですが、おかしな政治的主張のように感じられます。
デモをした人間自体がアルバイトでデモをしたりしていたりしそうですね。

投稿: みやとん | 2015年4月17日 (金) 12時56分

コメントありがとうございます。

給料高いが保障無し。実に当たり前ですね。

デモすることがアルバイターの仕事にとっては不利なので、その道のプロではないか、ということですね。

投稿: プー | 2015年4月18日 (土) 06時24分

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