« 戦争体験は継承できないが人類の知恵なら | トップページ | 2014年を振り返り、2015年に向けて »

2014年12月29日 (月)

町田選手引退。滑る哲学者の夢の続きに期待

町田樹選手が突然の引退発表。彼の演技はもう少し見ていたいと思ったので残念です。彼なりの考えがあったはずで尊重します。将来指導者として戻ってくることを期待します。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141228-00000083-mai-spo

フィギュアスケート男子でソチ五輪5位、昨季世界選手権銀メダルの町田樹(24)=関大=が28日、今回の全日本選手権限りでの現役引退を表明した。来春に早大大学院スポーツ科学研究科に進学し、フィギュアスケートをスポーツマネジメントの領域で考察する研究者を目指す。

引退するという事情はいくつか思い当たります。世界選手権を辞退するというのが納得いきませんが、彼らしいとも言えるのでしょう。

彼は24歳です。

フィギュアスケート選手の一番の目標はオリンピックです。

彼はソチ五輪で5位入賞、しかし次の平昌五輪では28歳近くなり、年齢的には非常に厳しいです。

そうなると、今シーズンに勝負を懸けたいところでした。

本来、オリンピックの翌年はトップ選手が手を抜く時期です。パトリック・チャン選手は今シーズン休養です。羽生選手も負傷して代役として彼にチャンス、と思いきや全く譲らずにグランプリファイナルも全日本も優勝しました。世界選手権も優勝するでしょう。

一方の町田選手の今シーズンは最初のスケートアメリカでは優勝しましたがその後は転倒が多く不本意なシーズンでした。何処か痛めていて、今シーズン内に回復が見込めない状況なのかもしれません。

彼のハイライトは昨シーズンの世界選手権でした。ノーミスで滑りきって、しかし1回転倒の羽生選手に僅かに及ばず銀でした。全力を出し切って羽生選手のミス待ちなのだから辛いです。

町田選手はおそらく、今シーズンはもう全力を出せない状況で、もはや時間切れ、と判断したのでしょう。

正直引退発表のタイミングは悪いと思いました。

世界選手権代表選出直後の辞退では、日本スケート連盟に対して失礼です。連盟に対する心証の悪化は、将来コーチになる時に不利に働きます。

そうは言っても、選考中に「俺は出ません」と言うのも選考に口出ししているようでしっくり来ません。

全日本のフリーを終えた時点で発表するのが一番スマートですが、そうしなかった意図があるのかもしれません。

フィギュアスケート界では、一部の集客力の強い選手に多くの大会への出場が半ば強制され、常に満身創痍の状態で戦うことが問題になっています。

その結果、オリンピックなどの最重要な大会で力を出し切れなかったり、引退が早まったりという悲劇が起こっています。高橋大輔選手や浅田真央選手がその犠牲者です。羽生選手もその道を辿ろうとしています。

その羽生選手が韓国での四大陸選手権の出場を辞退し、上海での世界フィギュアスケート選手権一本に絞ったそうです。韓国なら日本からの集客も期待できただろうに、連盟の意図に逆らう中々に痛快な決断です。

そのニュースをかき消すような今回の町田選手の引退・辞退宣言は、内容的にも「たまには休め」という羽生選手へのエールなのではないかと思います。

小塚選手がこの発表を「爆弾」と評したのは、必ず何らかの連盟批判の意味が込められていたに違いありません。

以前から疑問に思っているのは世界選手権(あるいはオリンピック)の代表選手の選考方法です。

日本スケート連盟の事前の発表です。

全日本選手権終了時に、以下の選考方法で決定し、フィギュア委員会へ推薦する。
① 1人目は全日本選手権優勝者を選考する。
② 2人目は、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して決定する。
A) 全日本選手権2位、3位の選手
B) グランプリ・ファイナル出場者(①の選手を除く)上位2名
③ 3人目は、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して決定する。
A) ②のA)又はB)に該当し,②の選考から漏れた選手と全日本選手権4位~6位の選手
B) 全日本選手権終了時点でのISU ワールド・スタンディングの日本人上位3名
C) 全日本選手権終了時点でのISU シーズンベストスコアの日本人上位3名
※ 尚、過去に世界選手権3 位以内に入賞した実績のある選手が、シーズン前半にけが等
で上記の選考対象に含まれなかった場合には、世界選手権時の状態を見通しつつ、選
考の対象に加えることがある。

1人目には文句ありません。今回も羽生選手です。

2人目は、全日本2位の宇野選手は同時開催の世界ジュニア出場なので、全日本3位の小塚選手です。グランプリファイナルは1羽生5無良6町田ですが、ゴンロクは論外だそうです。

3人目が矢鱈複雑です。しかし結局は町田選手と無良選手の席取りです。A)全日本では4町田5無良、B)ワールドスタンディングは5町田7無良、C)ベストスコアは町田269.09無良255.81、※昨シーズンワールド2位の町田、と、この枠で町田選手に決まりました。

その町田選手が辞退して無良選手が出場です。タナボタにしても意外すぎる発表に涙して決意を新たにしました。彼にはこのチャンスを是非ともモノにして欲しいです。町田選手より1年若い彼には、平昌五輪で27歳の誕生日を幸せの中で祝って欲しいです。

そんな選考基準ですが、毎年ワケワカランとか偏向しているとか騒がれています。

昨シーズンの五輪・ワールド代表は羽生・町田・高橋でしたが、全日本の成績が上の小塚・織田が外れ、実績だスポンサーだ花道だとか物議を醸しました。

今回は宇野選手がジュニア回りで町田選手が退き、かなり無難に収まりました。

本来、代表選考の考え方は、公平を旨とするのか、国として勝つ戦略を重視するのか、ハッキリ決めなくてはなりません。個人的にはオリンピックで勝つために成績下位の若手を抜擢するのは必要悪だと思っています。

日本的な良さかも知れないけれど、そこを明示しないから、揉めるのです。

日本のフィギュア男子は今後とも有力選手が登場します。

オリンピックの度に遺恨が発生するようでは、彼等のモチベーションが削がれてしまいます。

町田選手の引退を機に、連盟も考えて貰えればと思います。

Banner_13よろしかったら応援クリックお願いします。

|

« 戦争体験は継承できないが人類の知恵なら | トップページ | 2014年を振り返り、2015年に向けて »

スポーツ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/420968/58412528

この記事へのトラックバック一覧です: 町田選手引退。滑る哲学者の夢の続きに期待:

« 戦争体験は継承できないが人類の知恵なら | トップページ | 2014年を振り返り、2015年に向けて »