原発被災者と東電は完全に上下関係にある!!!
赤犬はエースに言いました。わしと貴様の能力は完全に上下関係にある!!! ・・・・・・残念な判決確定になりました。控訴しないのは東電の怠慢か弱みなのか、気になります。
東京電力福島第一原発の事故で福島県川俣町から避難を強いられ、一時帰宅中に自殺した女性の遺族が東電に賠償を求め、福島地裁が東電に約4900万円を支払うよう命じる判決を出した訴訟で、東電は5日、控訴しないと発表した。被災者の自殺の原因を原発事故と認めた初の判決が確定することになった。
この判決が問題というのは、自分の先日のエントリーの通りです。
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-988a.html
一番大きいのは、同様の訴訟が今後多発することですが。
なぜ東電はこの判決を受け入れたのか。
思うに、世の中には色々、完全な上下関係が存在します。
本件に関連するのは、「被害者」と「加害者」です。
本件では、「原発被災者」と「東電」の関係です。
他にも、「韓国」と「日本」、「慰安婦」と「大日本帝国軍」、「ユダヤ人」と「ナチスドイツ」、「沖縄県民」と「在日米軍」といったものがあります。
どれも共通するのは、一旦「被害者」「加害者」関係が成立してしまうと、「被害者」の過失や「加害者」の事情は一切無視され、その後の誠意も当然とされ、半永久的に貢がされるという点です。「千年変わらない」と言い切った人もいるくらいです。
東電としては、もはや運命として諦めたのでしょう。
そして賠償金は国が肩代わりしてくれるし・・・と
また、訴訟においては、東電は致命的なミスを犯しました。
自殺の原因を、「個体側の脆弱性」と論じたのです。
原発事故により避難した人々は十万人以上にも上るが、その中で自殺したのは千人に一人くらい。殆どの人は、賠償金を受け取ったこともあって頑張って生きているのだから、それでも自殺するのは体か精神が弱いからに違いない。というわけです。
理屈としては分かりますが、これを言ってしまったら、裁判官の心証が最悪になります。
そしてそれは上級審でも遺族側が強く主張し続けるでしょう。
東電としては、もはや勝ち目はないと判断したと思われます。
自分としては、官邸の対応の不備を暴いた吉田調書の内容もあり、東電の責任はそんなに重くない、という戦術を取ってほしかったです。
その吉田調書の開示の前に判決出したかった遺族または裁判官の思惑もあったかもしれません。
ともあれ、この判決確定が今後の社会に確定的に悪影響を与えるということは、原発再稼働賛成派・反対派とは無関係に、考えておいて欲しいです。
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