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2014年8月27日 (水)

木を見て森を見ず、の原発自殺訴訟判決

原発被害による自殺で東電に賠償責任判決。温情的な判決と言われるかも知れませんが、社会のバランス感覚を欠いた危険な判決です。同様の提訴が相次ぐおそれがあります。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140826-00000132-mai-soci

2011年7月、妻は一時的に立ち寄った福島県川俣町の自宅庭先でガソリンをかぶって自らに火を付けた。福島第1原発事故による避難中に起きた悲劇。福島地裁は26日、事故との因果関係を明確に認めた。「悩み、苦しんできた家族もこれで少しは浮かばれる」。法廷で判決を聞いた夫の渡辺幹夫さん(64)は、流れる涙をハンカチでぬぐった。

地裁の判決なので上級審で覆る可能性が大きいです。

原発事故による鬱病自殺は心情的には理解しやすいですが、これを認めると大変なことになります。

問題点は以下の5つ。

1 同様の訴訟が乱発することが予想されます。放射能汚染により自殺した農家の方々は68人などと言われます。今回の判決が確定したら、勝てると踏んで多くの人達が訴訟を起こすでしょう。未確定の上級審の間にも訴訟が起こるかも知れません。

2 震災関連自殺は累計120人程度とのことですが、原発によって亡くなった方と津波被害に遭われた方達の間のバランスが悪すぎます。津波被害に対する金銭補償はありませんが、原発事故では、4人世帯で9,000万円程度の賠償が行われています。それに加えて更に自殺の賠償4,900万円は非常識でしょう。

3 自殺したら数千万円貰える、となると、今後自殺が増えるおそれが大きいです。家族のためになるのなら、という人達が出ないことを祈るばかりです。

4 賠償の原資は東電ですが、国民の税金が投入されることが決まっています。すなわち、原告勝訴は日本国民の損害なのです。

5 原発事故は東電のみの責任ではありません。昔からの政官業の癒着はよく喧伝されるところですが、それだけでなく、当時の官邸の事故対応、風評被害をまき散らしたマスコミや「識者」、さらに戦後の日本のエネルギーや安全保障といった事情まで関係してきます。また、鬱病になった人を家族が支えられなかったのか、被災者に対する差別があったのではないか、など、自殺は様々な要因の複合の結果です。その中で、請求9,100万円に対して4,900万円賠償命令は、東電に厳しすぎます。

裁判は感情と社会の両面を考慮し、モラルハザードが起こらないように判決を出す必要があります。

今回の地裁判決は遺族の心情に寄り添いすぎて、社会を危機にさらすという点で大問題であり、おそらく上級審で覆るでしょう。

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