高校野球にタイブレークの案
高校野球の長い延長戦は素晴らしいドラマとなりますが、選手の負担は非常に大きくなります。必要悪としての導入を望みます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140714-00000001-spnannex-base
日本高野連が春夏の甲子園大会で延長戦でのタイブレーク方式の導入を議論するため、全加盟校対象のアンケートを行うことが13日、分かった。試合の早期決着を図ることで、選手の健康管理につなげるのが狙いという。
サッカーW杯が閉幕しました。決勝戦は大方の予想通りドイツの勝ちでした。アルゼンチンは準決勝が延長PK戦、中2日という不利があり、そもそも不利でした。
タイブレークというのは、複数のスポーツ競技で取り入れられている、スムーズに試合を決着するために本来のルールを変えるルールです。試合の興が削がれる反面、選手の疲労や試合時間の面から必要とされます。
テニスでは、選手の実力にあまり差が無い時にはサービスゲームのキープを繰り返し、1セット終了の条件である2ゲームの差が付きづらいことがあります。そんな場合、ゲームカウントが6-6となると、タイブレークに突入します。ここからは2ポイントリードで7ポイント取った者がセットを獲得します。
サッカーのPK戦も、一種のそれでしょう。本来ならゴールを決めないと試合も決まらないルールですが、延々と試合が続いたら暑い日は死者が出るでしょう。
野球やソフトボールでも導入されています。ソフトボールでは8回以降は無死2塁でスタート、社会人野球は12回以降で無死満塁、WBCは13回以降で無死1・2塁となっています。
高校野球の甲子園大会には現在タイブレークは無く、延長15回引き分け再試合となっています。
しかし長い試合時間によって選手達とくに投手への負担が過大となり、その後怪我で活躍できないという問題が続いてきました。
高校野球でも、実は今春から関東大会と北信越大会で導入されました。10回からは一死満塁で始めるというものです。
関東大会準々決勝の佐野日大と桐生第一の試合は、10回の一回で大量9点という恐ろしい結果となったので、内容は変えた方が良いと思いますが、それだって打たれた投手に前の試合までの疲労が溜まっていたから起こったことです。
若い選手達は、今その時を怪我しても乗り越えようとします。監督が止めるべきですが、「行けます」と言われると止められないそうです。
それはもう、ルールで止めるしかない、ということになります。
本来、選手の疲労対策はもっと他の方法で行うべきです。
休養日の設定や球数制限が根本に近いです。
しかし資金面や興業面、2番手投手の実力が足りないことが多い、など主催者側だけでなくチーム側も渋った結果、大した対策は打たれずに来ました。そしてその割を食っているのは選手達なのです。今夏も多かれ少なかれ、そういう選手は出るでしょう。
抜本的対策に時間が掛かるなら、せめて弥縫策でも実効性のある対策を打たなくてはならない、というのは世の中の多くの局面に存在する難しさです。
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コメント
サッカーでも私が中学生の頃、ゴールデンゴール方式が発足し、延長戦で1点決めたらその時点で勝ちというルールがありましたが、数年で廃止になりました。
延長でPKを与えてしまうとほぼそこで試合が終わってしまうという理由からみたいですが。
今では延長戦ののちにPKでの決着が主流となっております。
新しい取り組みはメリットの反面必ずといって良い程、デメリットが存在すると感じます。
球数制限をかければ、強豪校選手層が厚いチームが有利になりますし、昨年の前橋育英の優勝は無かったかもしれません。
しかし、制限をかけなければ将来有望な選手の選生命が途絶えてしまう事に繋がります。
甲子園でのコールドがないのも選手に対するリスペクトから
だとは思うのですが…
プロとは違い先発エースは基本1人ですから出来れば、中二日くらい余裕を持たせてあげたいですね。
全試合万全の状態でぶつかり合って欲しいです。
何れにせよ、高校野球に関しては、選手のことを一番に考えた打開策を嘆願します。
長文失礼致しました。
投稿: リロ | 2014年7月14日 (月) 17時17分
コメントありがとうございます。
>中二日
阪神タイガースの試合日程があるので現状では難しいですが、大阪ドームなど開催地を広げると可能だそうです。
そうするとコストや「甲子園」ブランドの低下といった問題が発生します。
それでも、選手の体のためには検討に値する安打と思うのですが。
投稿: プー | 2014年7月15日 (火) 06時12分