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2014年4月17日 (木)

混合診療はやむなし。しかし薬価は・・・

高齢化社会に突入した日本国としては、全ての医療を保険診療で、では賄いきれません。正論も大事ですが、現実に即した制度を作っていかないと保健医療も崩壊してしまいます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140417-00000100-san-bus_all

安倍晋三首相は16日、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の拡大に向け、関係閣僚に調整を急ぐよう指示した。政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で安倍首相は「(混合診療を例外的に認めている)保険外併用療養費制度を変えるため、協力して案をまとめてもらいたい」と述べた。新たな成長戦略をとりまとめる6月までに意見を集約する。

混合診療をTPPと絡めて批判する人がいますが・・・無関係とは言いませんが、いずれ導入は避けられないものです。

基本的には、日本国は2025年くらいまでは高齢化が進行します。

それを乗り切るには、現在の診療報酬体系は不可能です。

今年の診療報酬改定は、消費税分増えたとか言われますが、医療機関にとっては大きな減収となります。以前の改定で政策誘導的に美味しかったところがバッサリ減点となりました。特に、施設往診専門の開業医は一気に廃業させられたくらいです。

都会でも地方でも医師不足は進行中です。医学部新設が議論になっていますが、肝腎のお金がなければ医師を前線につなぎ止めることは不可能です。

もはや、保健医療財政では日本国の医療を賄いきれなくなっているのです。

ではどうするか。

お金持ちに、高度な医療を提供する代わりにお金を出して貰うしか無いのです。

その程度問題こそが議論の対象であるべきです。

金持ち優遇と言っても、アメリカやイギリスと違って、貧乏人が病院に行けなくなるなんて事態は、まずありません。あるとしたら、それは日本国の経済事情の問題です。

自分は高齢者の医療に主に携わっていますが、ちょっとした点滴で治る人は治るし、ダメな人はどんなに医療資源を投入しても結局助かりません。輸血に血液製剤にカテーテルを何本も刺された医療は、自分が老人となった時に受けたいとは思いません。

医療の公平性が損なわれると批判する人達は、では、日本国の医療財政が崩壊して平等に貧弱な医療しか受けられなくなるのを良しとするのでしょうか。

厚労省はともかく、日本医師会が反発するのには理由があります。

日本医師会が主に開業医によって構成されているからです。

混合診療、すなわち高度な医療は、開業医が行うことは殆どありません。混合診療の恩恵を受けない人達に導入のメリットはありません。一方で、なし崩しに保健医療の範囲を縮小させられるのでは、という不信感はあります。

ですが、そろそろ正論・建前ばかり言っていられません。

医療財政の崩壊、むしろそれより前に医療供給体制が崩壊する危機です。

みんなで協力して、そこそこ妥当な混合診療の範囲を決めて、医療の崩壊を防がなければなりません。

しかしながら、「薬価」は別です。

薬価の総枠は2年ごとの改定の度に下げられています。一方で新薬が登場してきます。

既存の薬の下げは既に激烈なレベルで起こっているのです。

それを毎年改定するというのは、かなり無茶な話です。

薬の値段を比べてみましょう。

ロキソニン60mgの「薬価」は17.5円。一方でOTC(薬局で買える)は大体600円/12錠です。

ガスター10mgでは、28.6円と1000円/12錠です。

既に「薬価」は相当安いのです。

メタボ系内科医プーは、混合診療には賛成、一方でこれ以上の薬価下げには反対です。

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