今こそ、「田澤ルール」の見直しを
昨日は、ワールドシリーズでレッドソックスが優勝、上原・田澤両投手の笑顔が眩しかったです。最高の形で終わったところで、所謂「田澤ルール」について検討したいと思います。
09年、社会人野球の新日本石油ENEOS(現JX-ENEOS)に在籍していた田沢は、ドラフトの目玉として注目を浴びた。悩んだ末にドラフト指名を拒否し、社会人から直接レッドソックスへ移籍した。
前例のないアマチュアからの大リーグへの直接的な挑戦に否定的な意見も出たが、大リーグでの活躍を夢見てマイナー生活をスタート。10年4月には右肘の腱移植手術を受け、約1年間に及ぶリハビリにも耐えた。
記事では、
否定的な意見
などと抑えた表現ですが、実際は日本プロ野球からは「制裁」に等しいルールを突きつけられました。
田澤ルールは、日本のドラフト指名を拒否して海外に渡った選手は、当該チームを退団した後でも2年は日本のプロ野球チームに所属できない、という厳しいものです。事実上の締め出しです。
自分はもう若くないので、何でもかんでも「自由だ!」と叫ぶつもりはありません。
このルールが人々の幸福に繋がっているかどうかを検証したいです。
最も残念なのは、貴重な経験をした田澤投手が、日本では投げられない、ということです。
最初からメジャーに挑戦した選手は、過去に数人いますが、成功はしていません。彼が最初の成功者です。
その経験を日本球界に伝えられないのは残念です。
次に、前例が出来たことで今後、「田澤ルール」を犯してでもメジャーに挑戦する若者が続出するかどうかです。
個人的には否定的です、というか、否定したいです。
彼は今シーズンこそ成功しましたが、2009年から2011年までは怪我などにより鳴かず飛ばずでした。去年が37試合登板、今年ようやくメジャーに定着、中継ぎとして活躍、ポストシーズンにも使われ続けました。その裏には、苦しみ抜いた本人の努力と、斎藤隆・上原浩治という良き先輩に巡り会えたという幸運もありました。
メジャー定着でも、今年の年俸は1億円に届きません。日本でやっていたら累計8億円は貰えたでしょう。来年以降の年俸に、差は無いと思いますが。
有望な野球選手が、彼のような人生を送りたいでしょうか。彼はまだ途中ですが。
若者ならそうかもしれませんね。悪条件を乗り越えてこそ価値があると信じているでしょうね。
しかし去年は大谷翔平選手(投手?)が、悩んだ末に日ハムに入団しました。
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-3fab.html
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-10fc.html
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-d7b3.html
去年の自分のエントリーです。まさにそうなって欲しいと願っていたし、そうなりました。
彼が順調に成長して、5年後にはメジャーで大活躍していると良いな、と思います。
むしろ、そんな実例を示してゆくことが、これからの若者の直接渡米を防ぐ鍵になるのではないかと考えます。
大谷選手には悪いけれど、今シーズンの成績では、投手としても打者としても中途半端で、メジャーでは到底活躍できそうにありません。
それでも日ハムは彼を全力で育てるでしょう。そこが日本の良いところです。二刀流は止めて欲しいけど
それで超一流となってメジャーに行っても活躍する。
そうすれば、「あの」「10年に一人の」大谷選手がそうならば、と、今後出てくる有望選手も日本のプロ野球に問題なく入団してゆく、という流れになれば良いです。
田澤ルールを死文化できるかどうかは、日本のプロ野球チームの育成能力に懸かっていると言えるでしょう。
以上、田澤ルールの見直し「ではない」話になってしまいましたが。
真面目に議論すると反対意見も噴出して遺恨ばかり残ってしまうものです。
出来れば、ルールが「いらない」状況となって自然消滅してくれれば、というのが、無力な大人の願望です。
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