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2013年10月12日 (土)

医学部新設には問題が多い

医師不足。分かりますが、医学部新設で解決するような生易しい問題ではありません。新設よりも既存のリソースを有効利用することの方が良策と思います。

 

東北薬科大(仙台市青葉区)は11日、新たに医学部を設置する構想を正式発表した。東北の医師不足解消をはじめ、東日本大震災を教訓に災害医療に対応できる医師育成を目標に掲げた。東北への医学部新設の検討を始めた国の動向と歩調を合わせ、実現を目指す。

(中略)

 教員確保については付属病院の医師のほか、東北大医学部などに協力を仰ぐ。高柳理事長は「大学医学部や医師会は医学部新設に反対を表明しているが、国の方針が決まれば協力してもらえると思う」と語った。

「理事長」は、甘く考えすぎです。

教員確保については付属病院の医師のほか、東北大医学部などに協力を仰ぐ。

大学病院は人材不足です。激務薄給だからですが。

これを引き抜いたら、東北大学が立ちゆきません。存亡を懸けて反対します。

さらに、地域医療を担っている医師が大学に召し返されます。地域医療は崩壊します。

東北地方の医療を混沌の渦に落とし込む覚悟があるのでしょうか。

さらに、将来的な医療の需給予測があります。

団塊の世代が寿命を迎えると、日本国の人口は減少します。

すなわち、医師が足りないのは今であり、20年後には余ってきます。

そんな時に、作ってしまった大学は潰せないのです。

今は医学部の定員増で対応すべきです。

東北大学学医学部が現に定員増で対応しています。

http://www.med.tohoku.ac.jp/gteiin/

年間100人が135人になっています。

惜しむらくは、

地域枠を設定することはありません。

ですね。

「地域枠」は、両刃の剣です。

地方の医科大学は、卒業生が地元に根付かないことに苦しんでいます。都会の進学校から多くの入学者が押し寄せ、卒業すると帰って行くのです。

手っ取り早く解決する方法として、これがあります。

入学者に対してかなり思い切った金額の奨学金を手当てし、代わりに数年間は同地域での医療に従事することを義務づけるのです。年季が明ければ奨学金の返済義務は消失します。なんて言っているうちに、当地で結婚して働き続けることになる、というのを密かに期待するわけですが。

http://www.jact.jp/000030.html

問題は、これが地域外に対する明らかな差別であり、また、「地域枠」の人材が相対的に劣等になるということです。

まあ、医療の最前線を担う医師には、知力よりも気力体力、という気もします。現在は兎に角頭数が必要です。人材が足りるようになってから知力による選別を掛けるしかないと思います。スポーツ推薦もありか

それに対して東北大学は、世界と勝負する先進医療を追求する立場から、「一兵卒など要らない」と言い切っているのです。

でも、医学部新設よりも、こちらを変える方が遥かに楽だと思います。

地域枠を設定しないと、お宅のすぐそばに医科大学が出来て、お宅も大変なことになるんじゃない?

って、新設反対派が耳打ちすれば、考えを変えるのではないでしょうか。

一方、新設医科大としては、

10人程度を東北6県の高校出身者向けの「地域特別選抜枠」とする。

なんてケチなことを言っていないで、半分くらいを地域枠にすれば良いのです。

そうすれば、大義名分が立ちます。

奨学金とかの負担が大変そうですが、東北各県に拠出して貰いましょう。

今の流れなら、国家予算すら分捕れそうです。

逆に、そのくらいの調整力が無かったら、結局は都会の開業医の子弟が多くを占めて地域医療など画餅と化してしまいます。

「理事長」は、それでも良いのでしょうが、政治家や官僚は、それではいけません。

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コメント

顧問医の嘆き:うちの顧問医がよくこぼしてるんですが、神奈川の無知知事といい東北での医学部新設を目論む馬鹿ども、今でさえ年間8000もの医者が生まれ、このご時勢、医者もキツイとこはいや、田舎はいやで都会に医者は編中し科による偏りで医者が足らんの言ってる、人口減少に突入している日本に
育てるのも労力とお金も掛かる医者をそれも働かないブラブラ医者をこれ以上作るなんて愚の骨頂である。今、医者をどう振り分けるか、卒後研修のシステムを考え直すのが先でしょうって。これ以上の医学部新設など断固阻止すべしと。そして、大変な負担によって支えられている皆保険制度なのに、そのありがたみなどどこ吹く風の傲慢で身勝手なクレマー患者は溢れ、おちおち診療などしてられへんと危機感をにじませてます。医者の説明よりドラッグストアーの薬剤師の話、ネットが一番の奇っ怪な世の中で.....TPPでいよいよ後進国アメリカの仲間入りです。

投稿: メタボリン | 2013年10月13日 (日) 15時15分

コメントありがとうございます。

仰る通り厳しい状況です。
アメリカと一緒はイヤです。
微力を尽くします。

投稿: プー | 2013年10月13日 (日) 21時33分

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