消費税と原発は不可分の問題
消費税増税が決定との報道です。問題の多い決定と思いますが、原発のことは誰も議論しません。自分にはそれが不思議でなりません。
安倍晋三首相は20日、来年4月に消費税率を現在の5%から8%に予定通り引き上げることを決断した。増税した場合に備えた経済対策として、調整の焦点となっていた法人実効税率引き下げへの道筋がつき、5兆円超の経済対策でデフレ脱却ができると判断した。10月1日に正式表明する。消費税率が上がるのは、橋本内閣だった1997年4月に3%から5%になって以来、17年ぶりとなる。
財務省の圧力が強かったことは容易に想像できます。
消費税を上げたい政治家などいません。次の選挙で負けるからです。
前の安倍政権では公務員改革を志して頓挫しました。官僚に敵対したら潰される、という教訓が骨身に染みているのでしょう。
上げるのは今しか無い、というのは、安倍内閣としても選挙対策を考えたら仕方が無かったのかもしれません。何せ、向こう3年は国政選挙をする必要が無いのですから。何時か上げないと行けないことなら、今なのかな、とも思います。
さて、消費税増税に伴う経済失速への対策として様々な施策が打ち出されていますが、自分はその恩恵を全く受けないので不満たらたらです。
医療の診療報酬改定は、消費税に配慮した上積みが合意された、という話もありますが。
個人的なところは置いておきますが、経済対策にエネルギー問題が盛り込まれていないことに最も大きな不満があります。
最近は景気が回復していると言われますが、エネルギー問題が足を引っ張っています。
最新の統計では、GDPが年率+3.8%、消費者物価指数(CPI)が+0.7%と結構なように見えますが、コアコアCPI(食料及びエネルギーを除いたCPI)は-0.1%と、まだマイナスなのです。
これの意味するところは、GDPや物価は上がったけれど、燃料代が上がったためであり、日本国民が豊かになったわけではない、ということです。むしろスタグフレーションだと思っています。
昨日の原油先物は約104ドル。シリア情勢が幾分落ち着いて直近のピークの108ドル台から若干低下しましたが、それでも高いです。
日本では、大飯原発が点検のために停止し、現在は一基も動いていません。
日本人が額に汗して働いても、利益は産油国や投機筋に吸い取られて行くのです。
逆に、原発を再稼働すれば燃料代は大きく下がります。
この問題を放置して、日本の景気回復はあり得ません。
原発を再稼働しないなら、消費税を上げてはいけません。
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コメント
『日本人が額に汗して働いても、利益は産油国や投機筋に吸い取られて行くのです。』
産油国の王子様たちの豪遊費になることは解せませんね。
私としては核廃棄物の処理と各施設の警備・保全が確立しないと全面再開はきついと感じます。モンジュの研究打ち切りはもったいないと思います。福島原発の惨状を見て、汚染というよりも、テロリストに破壊されたら国が滅ぶと感じました。
逆行するかもしれませんが、電力会社国営化でもいいかと思いますが。
投稿: パズ | 2013年9月22日 (日) 19時46分
コメントありがとうございます。
分割民営化は時代の必然ではありましたが、大事故に際しては無力ですね。
テロリストも一種類ではなく、爆発したのを見て騒ぎ立てている輩もいて、彼等の絶妙な連係プレーには敬意すら湧いてきます。
投稿: プー | 2013年9月23日 (月) 00時42分