国連の存在意義なんて
シリア情勢が緊迫化しています。アメリカが空爆しそうですが、国連にはそれを止める力はありません。事務総長も、日本を批判している場合ではありません。
シリア・ダマスカス(CNN) オバマ米大統領は28日、米公共放送PBSの番組で、米国はシリア政府が国民に対して化学兵器を使用したとの結論に達したと発表した。シリアに対する限定的な軍事攻撃を実行するか、あるいは一定期間の攻撃を行うかについては「まだ決定していない」と述べた。
シリアでは、化学兵器によると思われる大量の死者が出て、政府と反政府組織がお互いを犯人と主張しています。
本当はどっち、というのは、もはやどうでも良いことです。
基本的には政府に中露、反政府組織に米英仏が付いている構図です。
真実は隠蔽され、今後起こるであろう米英仏VS中露の代理戦争で、勝った方の言い分が通るのですから。
国連安保理が開かれていますが、5大国には拒否権があるので、解決は困難です。
事務総長も、「外交で決着を」とか言っていますが、シリア争乱は2年以上前から続いています。何を今更、です。
シリアに対する制裁には米英仏が賛成、中露が反対です。1国でも反対すれば否決されるので、米英仏は最初から安保理決議を当てにしていません。
歴史的に見て、国連安保理の拒否権は、国際連盟の機能不全に対する反省によって5大国に付与されましたが、あって良かったものか、よく分かりません。
強いて言えば、決議に不満があった時に、拒否権が無かった国際連盟は「脱退」するしか方法が無く、それが大戦に繋がったのに対し、国際連合では、拒否権を行使して、決まらない代わりに脱退しなくて済む、ということになります。
大きな破局を阻止するために中小の軋轢を許容する、というシステムで、実績として、20年で次の大戦の起こった国際連盟の時よりはマシなのではないか、とは思います。
日本はそんな国連に依存するのはどうかという話にもなります。
まして、敵国条項があります。
日本を始めとする元枢軸国に対する戦争は、安保理決議を経ずに起こしても良いという条項で、アメリカに次ぐ12.5%の分担金を納めておきながら日本は一般の加盟国より下の扱いです。
日本の外交戦略は、ひとえに日米同盟という二国間同盟です。
国連も9条も日本を守ってくれません。
日英同盟を結んでいた頃は、日本も安泰でした。
将来日本が完全に独立する力を得るまでは、日米同盟を守っていかなくてはなりません。
アメリカがシリアに出兵となると、日本も何らかの形での強力を要求されます。
おそらくそれは、条件闘争のレベルです。
拒絶は不可能です。
中東諸国を刺激したり、自衛隊が前線に派遣される、といったことを除外できれば御の字です。
日本はアメリカの属国か。
正直、イエスです。
しかしそれを脱するに性急だったり、別の大国に頼るようでは、却って大きなものを失う。
これが自分の持論です。
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