脱原発のコストは高い
タダで脱原発出来ると思っている人は、よもやいないと思いますが、そのコストは意外と高いです。みんな納得して払っているのだろうか、気になります。
財務省が25日発表した2012年上期(1~6月)の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆9158億円の赤字となった。半期ベースでは過去最大。11年通年の貿易赤字(2兆5647億円)を半期で上回った。原発を代替する火力発電燃料の液化天然ガス(LNG)や原油の輸入増加が響いた。
輸出額は前年同期比1.5%増の32兆5956億円、輸入額は7.4%増の35兆5113億円だった。
同時に発表した6月の貿易収支は617億円の黒字で、4カ月ぶりに黒字に転じた。
財務相のデータはこちらです。
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2012_1-6.pdf
輸入品目の、「液化天然ガス」と「原粗油」で輸入伸び率の6%弱を占めています。
すなわち、半年で2兆円の輸入増
1年に直すと4兆円、産油国(と投機筋)に貢いでいるのです。
消費税に換算すると2%です。
今年の上半期は、稼働する原発がどんどん減り、5月からはゼロ稼働が続きました。それはもう、足元を見られまくりです。
今年の原油先物(WTI)は一時110ドルを超えていました。
ところが6月単月では、少し黒字です。6月は、欧州危機で原油(≒天然ガス)が最大77ドルくらいまで下げました。この程度で黒字になるのは、ある意味日本すげー、と思います。
今月はイラン情勢と世界の金融緩和で再び上がり、今は90ドル前後です。
燃料コストは、脱原発の保険料、という表現が出来ると思いますが。
保険料の捻出に相当無理しています。
保険料のために働くのは、本末転倒ではありませんか?
そもそも論で言えば、化石燃料の高騰に対する保険として原発を始めたのではなかったか?
個人的にはかなりの確信を持って、いずれ燃料代は暴落すると考えますが、その数カ月のうちにも首を括る人達が続出することを考えれば、当面は原発を継続する必要があります。大飯の再稼働で満足してはいけません。もっと危険度の低い原発もあるのに。
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コメント
目に見えるもの同士の戦いが見たいです。
脱原発と消費税2%増、世論はどちらを取るのか興味深いです。
原発再開をアピールして燃料費を下げさせるのも手ですが、そもそも脱原発を叫ぶ人は燃料を輸入する国から賄賂を貰ってる気がしてなりません。
投稿: ティガ | 2012年7月30日 (月) 16時36分
コメントありがとうございます。
世の中謎だらけです。
原発継続派も、反原発派も、どちらにも暗い影を抱えていると思っています。
>原発再開をアピールして燃料費を下げさせる
自分はこれが妥当と考えます。
投稿: プー | 2012年7月31日 (火) 06時31分