蟻の一穴にしたい
今回「生活保護」というものがお茶の間を賑わせましたが、今回の一件は、色々な意味で氷山の一欠片でしかありません。まずは、多くの人に考えて貰うきっかけにはなったと思います。マスコミの言うことを鵜呑みにしないで情報収集して考えて欲しいです。
今回の問題は先月、一部週刊誌が匿名で報じたことを皮切りに、今月初め自民党の片山さつき、世耕弘成議員らがブログで、河本に高額の収入がありながら母親が生活保護費を受け取るのは不正受給と指摘。16日には吉本興業が「不正受給のそしりを受けるような違法行為は存在しない」と見解を発表。翌17日発売の週刊誌3誌が疑惑を実名報道し、波紋を広げていた。
2chでは、裏の取れない裏話のようなものが転がっていますが、今回はそれについてはスルーしておきます。
今回のような問題がこのような形で明るに見出たのは、ある意味奇跡的です。
国会議員という強い立場の人が提起した問題で、
生活保護受給者が吉本興業という巨大な芸能会社の関係者で、
吉本が体面(≒売上への影響)を勘案して、頭を下げるのが適切と判断した、
ために大きなニュースになったのですから。
世の中にはニュースにならない規模の同種の話は山ほどあります。
不正受給を取りやめるのは、口で言うのは簡単ですが実際には大変なことです。
本当に受給を必要としている人を切ってしまうおそれがあるし、某団体の口利きで受給出来た場合は、その団体の横槍が入るでしょう。
そういうことよりも、生活保護受給のメリット・デメリットの面から切り込んだ方が現実的です。
支給額が年金よりも高いというのは有名ですし、医療費などが無料というのも大きなモラルハザードです。
このあたりは少しずつでも制度改革する余地はあると思います。
もっと生産的なこととしては、この国の経済を成長させることです。
この国の成長戦略をしっかり打ち出して、みんな就職出来、それなりに収入もあり、という経済状況を作り出し、生活保護を貰っても嬉しくない、とみんなが思うようにすることがベストです。
インフレターゲットもその一部ですが。
以上が、自分の建前的な主張です。それなので、今回の記事のカテゴリーは「政治」でなく「経済」なのです。
皆さんもこの問題について考えてみて下さい。
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コメント
『生活保護受給』の件もそうですが、片山さつき氏がその情報を何時何処で入手したのかも、個人的には気になります。
彼女の来歴をWikiで調べたところ、財務省に在籍していたのは2005年までで、この頃に知っていたなら7年間放置していた事になるのですが・・・。
『公人がブログで個人を』というのもそうですし、こうなる前に手を打てなかった本人や福祉事務所の問題諸々、両成敗とはいかないのでしょうか?
記事の書き方だと思いたいのですが、一方的な攻撃に見えて嫌なニュースでした。
投稿: luna | 2012年5月25日 (金) 16時28分
コメントありがとうございます。
今回はできる限り政治色を除き、個人攻撃に終わらない書き方をしたつもりでしたが・・・
投稿: プー | 2012年5月25日 (金) 22時13分
生活保護受給者は200万人突破でそのうちの0・4%が不正受給をしているというデータがあるようです。氷山の一角という事を考え10倍の4% 8万人が不正受給していると考えると月に110億位税金の無駄があると考えられます。
景気が良くて、それさえも内包してしまう懐のデカイ世の中になれば良いかと思います。日本は内需の国なのでそれが容易に出来るはずなのに.........。消費税を上げることしか頭にないのでダメなんでしょうね。まずはデフレ克服(^-^)/
投稿: バズ | 2012年5月26日 (土) 01時02分
コメントありがとうございます。
仰る通り、不景気・デフレはさらなる不景気・デフレを招く悪循環を形成しますが、この国にはそれを脱する力はあるはずです。
政治家にやる気があれば、というのが一番の問題ですね。
投稿: プー | 2012年5月26日 (土) 08時23分
東京都の最低賃金で毎日8時間働いても、生活保護の方が支給が大きいとニュースで聞きました。
生活保護の支給額または、医療費無料などの特権を見直すか、最低賃金を見直すかしないと労働意欲が乏しくなってしまいそうです。
投稿: ティガ | 2012年5月28日 (月) 14時10分
コメントありがとうございます。
生活保護の支給額を見直すには抵抗勢力が強すぎるでしょう。
最低賃金の向上を、成長戦略とインフレによって実現するしかないと思います。
投稿: プー | 2012年5月28日 (月) 14時39分