今から投資しても・・・
欧州危機問題が騒がれている今において、円・人民元直接交換が実行されることにどんな意味があるのか。日本より中国にメリットのある話でしょう。これで中国に投資しやすくなった、などと喜ばないことです。
円と中国の通貨・人民元を直接交換する為替取引が、6月にも始まることが明らかになった。
日中両政府が東京と上海に市場を整備する方向で最終調整しており、近く正式に合意する見通しだ。現在、円と人民元は米ドルを介在させて交換されており、手数料が割高になっている。直接交換が実現すれば、決済費用の削減につながるほか、手続きが簡単になることから、日中貿易の円滑化や取引拡大が期待できる。
自分のようなFX投資家にとっては、円・人民元間の直接取引が可能になり、選択肢が広がるとは言えます。中国株に投資したい人にも同様でしょう。
今までは流動性に乏しいとかで、金利差6%なのにスワップがマイナスなことが多く、CNY/JPYのトレードは全く割に合わず、殆ど行われていませんでした。
今回の話では、流動性が高まり、金利差を反映したスワップと直接投資流入による人民元高で美味しい投資先になる、というのが投資業界の表向きの見解でしょう。
ですが、おそらくそんな生易しい話ではないでしょう。
問題は、中国のドル離れです。
欧州危機問題の後では、日本円が強くなると自分は確信しています。
中国にとっては、日本こそが美味しい投資先になります。
それを見越しての直接取引というだけなら合理的です。
しかし、ドル離れが起こるということは、ドルが下がるということです。
すると、ドル建ての財産を持っている世界中の人達が損失を被ります。
現時点でカツカツの財政状況の国では一気に転落するかも知れません。
それは中国や日本だって例外ではありません。両国は米国債を大量に持っているのですから。
中国は欧州危機の対処法として日本円にシフトして乗り切るつもりでしょうが、その行為が全世界、まして自国の経済をも叩き落としてしまう可能性を考慮すべきです。
こんな危機だからこそ、ドルは守らないといけません。
ユーロはどうかって・・・・・・これはだめかもわからんね
世の中何でもですが、困った時に乗り換えるコストはとても高いのです。
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コメント
プラザ合意から、最近ではオバマの輸出2倍の話まで、ドル安を容認する動きを見るに、基軸通貨の役割をこれからもドルがやれるのか?疑問ですね。オイルが絡む戦争はオイルをドル以外で買おうとする国で起こっていると聞きます。ドルペックが終わろうとしているんじゃないですかね?ポンド→ドル→次は何がくるんでしょうか?
次にくるのが見当たらないのでドル防衛ですかね。
元ってことはないですよね。
投稿: バズ | 2012年5月26日 (土) 21時04分
コメントありがとうございます。
基軸通貨の転換には何十年か掛かります。
現状でドルは世界の外貨準備高の6割以上を占めています。
一気に転換(=ドル下落)したら、多くの国が財政破綻してしまいます。
ゆっくり転換するしかないのです。
ドルの次があるとすれば、現時点では日本円が最有力と考えています。
投稿: プー | 2012年5月27日 (日) 22時59分
何か一つの通貨のみを持っている事がリスクになりそうですね。
先を読める人はこれから有望な通貨、読めない人でもドルや円に通過を分散させた方がリスクが減り
投稿: ティガ | 2012年5月28日 (月) 14時15分
申し訳ございません。
続きです。
私は後者なので、リスクを減らすため、少しだけドルも買おうと思います。
投稿: ティガ | 2012年5月28日 (月) 14時19分
コメントありがとうございます。
有望なのは豪ドルでしょうが、「まだ」高すぎます。下がったら買いです。
投稿: プー | 2012年5月28日 (月) 14時40分