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2011年11月10日 (木)

インスリンの悪用例

インスリンが角界で使われていたとは驚きです。確かに安直に体重増加は期待出来ます。これがドーピング違反になっていないのは手落ちでしょう。皆さんには、この際インスリンの功罪について理解してもらえると有り難いです。

大相撲の十両・隆の山(28=鳴戸部屋)がインスリン注射を使用したと認めたことについて、文部科学省の奥村展三副大臣は9日の会見で、九州場所初日の13日までに日本相撲協会から事情を聴き、監督官庁として指導する意向を明らかにした。相撲協会は元横綱・隆の里の鳴戸親方(本名・高谷俊英、享年59)の急死を受け、8日に一連の週刊誌報道の調査打ち切りを表明していたばかり。公益財団法人認定に向け、新たな課題に直面することになった。

(中略)

インスリンは血糖値を下げる働きをする一方で食欲を増進させ筋肉増強の効果もある。協会は鳴戸親方が急死したために、鳴戸部屋の疑惑全ての調査打ち切りを決定したが、文科省はその対応に不信感を募らせた。今後、監督官庁の指導により、隆の山への再調査および、協会の薬物使用禁止規定の改正を余儀なくされることは避けられない。文科省および世間を納得させる意味でも相撲協会には“世界基準”の判断が求められている。

インスリンの作用は、血糖値を下げるのは結果であって、血中のブドウ糖を肝臓・筋肉・脂肪に取り込ませるのが本来の働きです。

血糖が下がればお腹が減るので食欲も増します。

小兵力士にとって体重を増やすのは大変なことです。

これをインスリンによって安易に増やすのはどうなのだ? と思います。

しかし難しいのは、糖尿病と診断してインスリン注射を合法的に行うという手もあるという事です。

その場合、糖尿病がどんなに軽くてもインスリン注射が一番体に良いのだと言い張れば通ってしまいます。あれだけ食べている人達ですから、何日か稽古を休めば糖尿病らしい検査結果は得られるでしょう。

そんな抜け道は置いておいて。

糖尿病患者さんでインスリン治療を始めると、血糖値が良くなる人が多いですが、前述の通りに食欲が増して太ってしまい、インスリンの効きが悪くなったりコレステロールが上がってしまうという問題があります。

最近は、GLP-1アナログ製剤という新しい薬が登場し、血糖を下げかつ食欲を抑える作用を有しており、治療の新たな展望が開けつつあります。

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コメント

インスリンを体重増加を目的に使用するなんて、バンティング博士は思わなかったでしょう。


今度は、ボクシングの減量や若い女性の抗肥満薬に、GLP1が使われない事を祈るばかりです。

投稿: ティガ | 2011年11月16日 (水) 18時59分

コメントありがとうございます。

痩せることと健康は同義では無いこと、適切に食べることは健康のために不可欠であることを、患者さんに説明しています。

投稿: プー | 2011年11月17日 (木) 21時20分

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