こっちでもバブル真っ盛り
帝王切開が多いということ自体は世界的傾向ですが、上海では半分以上と。複数の要因の絡んだ、バブル状態と言えるのでしょう。こんな状況が続くわけはないとは思いますが。
【上海=河崎真澄】中国の上海市では、産婦人科での出産の約54%が帝王切開であることが、保健所の調べで分かった。上海紙、新聞晨報によると、世界保健機関(WHO)が推奨する帝王切開での出産率15%を大きく上回っており、中国全体でも飛び抜けて高い比率だという。
上海市で極端に帝王切開が多い背景には、出産費用が自然分娩(ぶんべん)に比べて約2倍かかるため、収入増を当て込んだ病院側の「ビジネス姿勢」があるとみられている。中国婦人子供保健協会では、「上海の一部の病院は巧みに妊婦を帝王切開に誘導して、妊婦に決断させている」と指摘する。
上海市内の産婦人科で出産経験のある女性は「分娩直前になって産婦人科医から『あなたは骨盤が小さいので自然分娩は困難だ。自然分娩だと激しい痛みから逃れられない』と脅された」と、今では不本意な様子。
多くの産婦人科は慢性的な人不足で、出産日時や産気づいてから赤ちゃんが出てくるまでの時間の読めない自然分娩は、商売上、効率が悪いと考えているフシがあるという。
帝王切開および帝王切開率の解説はこちらを。
http://www.mcfh.net/cesarean.htm
帝王切開を選択する基準としては、高齢などによる母体の体力不足、胎児が産道を通れない、出産を急がないと生命の危険な場合、などありますが、最近は訴訟の問題もあり、帝王切開が増えています。
日本の帝王切開率は約10%とかなり低い方です。統計が古いですが。最も低いスウェーデンの8.5%を医学上どうしても必要な人の割合と考えれば、「不要な」帝王切開は殆どしていない、と言えるでしょう。ソースがありませんが最近は20%前後という話も。
上海で帝王切開率が高い理由として記事には病院経営が挙げられていますが、補足します。
やはり人間のモラルが日本と中国では違います。最近の話では、「デモ」に破壊活動が含まれるのが中国です。尖閣問題やレアアースで分かるように、自分が有利と思えばとことん毟るのが中国です。
産科が売り手市場なら、「手術を受けないなら他所へ行けば」と言われて困る妊婦につけ込んでいると言えます。
一方の妊婦も、上海には金持ちが多いです。金で安全を買えると思えば、開き直って「じゃあ家で産むから」とは言わないでしょう。そんなバランスで最近のビジネスモデルが成り立っているのでしょう。
もう一つ、中国の一人っ子政策もあるでしょう。帝王切開を行うと次の子を産むときに帝王切開を要する可能性が高くなりますが、中国では次の子を気にする必要が無いわけです。
そんなわけで微妙なバランスの上に成り立っている中国の産科ビジネスですが、中国経済と同様、前述の要素のどこかが崩れればたちまち崩壊する危うさを抱えているように思います。
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