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2010年2月17日 (水)

地域医療の落日

この前の日曜日に、以前世話になっていた病院の「応援」に行ってきました。

その病院は、ここ数年で常勤医師が激減して診療体制が危機に陥っています。

常勤医師が減ると日常業務はもちろん、休日の診療体制も組めなくなります。そこで、外部の医師を呼んで助けて貰うわけです。

患者さんは救急車も含めてそれなりに来て、自分もそれなりに貢献できたとは思いますが、長期的な視点に立つと、絶望的です。

外部の医師に非常勤で働いてもらうと、病院の負担する人件費は常勤医師のそれよりかなり高くなります。自分は病院からの依頼を直接受けた形でしたが、常勤医師だった頃の約3倍の手当を貰えました。これがもし人材派遣業者を通じてだとすると、もっと掛かります。具体的なところは分からないけど5倍くらいになるでしょうか。

ここ数年、大学の「医局」機能の弱体化、特に人材派遣能力の低下により、地方では医師不足が深刻化しています。田舎の基幹病院は特に大変です。地域に代わりの病院が無いのに医師が減っては、今まで通りの業務は不可能です。

足りない医師を何とか穴埋めするために、病院は人材派遣業者を頼ります。そうすると前述の通り人件費の負担が一気に膨れ上がります。

さらに、その病院の常勤医師の不満も噴出します。同じ仕事(むしろ常勤医師の方が頑張っていることの方が多い)で給料に数倍の差が出てはモチベーションが下がるのは当然です。

そのような病院はいずれ潰れるでしょう。

今度の診療報酬改定でプラス改定とか言っていますが、高齢化社会で患者さんはどんどん増えるのに改定幅がそれを上回らなければ、医療単価としてはマイナスにならざるを得ません。増大する人件費を賄うことは到底不可能です。

そうなると、生き残るのは常勤医師を自力で確保できるブランドを持っているような大病院だけとなるでしょう。

また、そうなった時には、病院数が大きく減少することにより、「人材派遣」の需給関係が崩れ、リーマンショック後の「派遣切り」と同様に非常勤で稼いでいた医師達が冬のキリギリスのような目に遭うのではないかと考えます。

患者さんが病院を受診する際に注意することとしては、

非常勤医師で夜間・休日を賄っている病院は危ないと言うことです。

人件費が多くて経営が厳しいはずです。

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