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2009年4月15日 (水)

割り箸事件訴訟、原告敗訴で確定

業界人には有名な事件です。

10年前、夏祭りに参加した4歳の男の子が、綿飴を口に咥えて転倒、耳鼻科受診するも大きな異常なし、しかし翌朝には死亡。司法解剖で割り箸の破片が脳に刺さっていたことが分かった。

男の子の両親は医師と病院に対して刑事・民事で訴訟を起こしたが、退けられた。

以上のような経過です。

司法における争点ですが、

1.救命可能だったか→不可能だろう。という点は一貫していました。

2.診断可能だったか、については当初は誤診という判断でしたが、後の裁判では診断困難という結果となりました。

以上により、担当医師に責任はないという結論です。

司法の判断は、妥当と思います。

亡くなった男の子は気の毒ですが、割り箸を口に咥えて転倒、非常に運悪く脳幹を損傷した時点で救命は困難だったでしょう。しかも、これは前例のないケースであり、「折れた箸の片割れが見つかっていない」という情報も診察当時に無かったので、診断も不可能でした。

むしろ、子供の危険行為を放置した両親の方に問題が大きいでしょう。

そして、それを棚に上げて訴訟を起こしたり手記を売り出したりという行動に、業界関係者は怒りを覚えたものです。

両親のコメントで、

「10年間の闘いが、何らかの意味で日本の医療にとって意義があったと認めて頂ける時が来るよう努力したい」

とのことですが、日本の医療にはすでに大きな意味をもたらしました。

・医師は診療に問題が無くても結果が悪ければ訴えられる。

・何が起こるか分からない救急の現場から医師が立ち去るようになった。

・診療に当たっては過剰に検査をするようになった。

などです。

司法の良識により担当医師は冤罪を免れましたが、この国の医療は致命傷を受けました。最近は産科や自治体病院などを巻き込んで更に進行中です。

日本の医療の歴史の大きな転換点となった事件は、本日終了しました。

関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。

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